【筑後鷹】尾形は2軍のリーグ優勝&日本一胴上げ投手 来季は1軍で小久保監督を胴上げする

2023年11月21日 05:00

野球

【筑後鷹】尾形は2軍のリーグ優勝&日本一胴上げ投手 来季は1軍で小久保監督を胴上げする
ブルペンで投球練習をするソフトバンク・尾形 Photo By スポニチ
 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第55回は尾形崇斗投手(24)だ。今季は2軍で41試合に登板し、ウエスタン・リーグ最多タイの16セーブを挙げ、リーグ優勝と日本一ではともに胴上げ投手となった。来季への思いとともに、現在取り組む「固定観念を捨てる」投球への思いに迫った。
 今季まで2軍を率いた小久保監督は、リーグ優勝と日本一に輝いた今季、チームのMVPに尾形の名を挙げた。「ファームでは“あいつで打たれたら仕方がない”といつも言っていたので」と語った。優勝、日本一を決める一戦ともに9回のマウンドには尾形の姿があった。信頼は起用法からも見て取れた。「自分にとってプラスになるし、これから段階を踏んでいく上で、凄くいい材料だと思う」と感謝する。

 2軍では41試合に登板し、防御率0・98だった。何が良くなって数字を残せたのか。自己分析は「メンタル的なところだなと思っている」と語る。これまではマウンドに上がる心境として「きょうの自分はどうか?と探りにいっているところがあった」と明かす。この思考をポジティブに転換した。「きょうはどんな新しい自分に出会えるのか。どんな力を出せるか。楽しみの方をかみしめながら」。頂点を懸けた大一番でも、そのマインドを貫徹。「自分はすごい成長したんだな」と実感できた。

 1軍では自己最多の12試合に登板し、防御率は4・00だった。さらなるレベルアップを目指し、秋季キャンプからピッチングデザインの再構築をテーマに掲げた。どこにボールを投げ込むと相手が嫌がるのか。ブルペンでは球速やボールの回転数、回転軸、変化量などを即座に数値化できる測定器「ラプソード」でデータを確認。その上で「低めだけがすべてじゃないというピッチングを展開しようと思っている」と分析する。

 日本の野球には“低めに投げないといけない”という固定観念が存在する。西武の平良のように直球で高めをどんどん突いていき、変化球は低めに投げる投球スタイルの投手も増えてきている。「真っすぐも速いボールは高めが一番打ちづらい。低めだと距離が取れる分、コンタクトできるのがある」と尾形。もともと直球はホップする(伸びがある)特長があるだけに、高めをうまく使えれば、投手としてより幅は広がる。「低めに投げようという固定観念を払って、いいボールをどんどん投げて、詰まらせてというピッチングがしたい」と目指す投手像を明かした。

 来季は1軍の中継ぎとして、不可欠なピースへ期待の高まる背番号39。「今年と同じように胴上げするんだという強い気持ちは持っています」。小久保監督を“日本一の男”にすべく鍛錬の冬にする。  (杉浦 友樹)

 ◇尾形 崇斗(おがた・しゅうと)1999年(平11)5月15日生まれ、宮城県出身の24歳。学法石川から17年の育成1位でソフトバンクに入団。20年に支配下登録。今季は1軍で12試合に登板し、0勝1敗。防御率は4.00。背番号は39。1メートル82、84キロ。右投げ左打ち。

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