阪神・森下 シン「鉄人」の誓い 金本さんみたいに「ケガに強い選手でいたい」

2023年12月17日 05:15

野球

阪神・森下 シン「鉄人」の誓い 金本さんみたいに「ケガに強い選手でいたい」
ダイヤモンドヘッドを背にアロハポーズを決める阪神・小幡(左)と森下(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 阪神・森下翔太外野手(23)が15日(日本時間16日)、優勝旅行先の米ハワイ州ホノルルで取材に応じ、同地で名球会に出席中の阪神OB・金本知憲氏(55=本紙評論家)と14日(同15日)夜にステーキハウスで“ニアミス”したことを明かした。森下がテレビ番組収録中だったため対面は実現しなかったが、世界記録の1492試合連続フルイニング出場を誇る「アニキ」に尊敬の念を抱き、偉大な「鉄人」の系譜を受け継ぐ意欲を示した。
 現地時間14日夜、森下が佐藤輝とテレビ番組収録のため訪れた、ハワイの老舗「ルースズ・クリス・ステーキハウス」で奇跡のニアミスが起きていた。2人が高級肉に舌鼓を打っていると、同じハワイで開催されている名球会に出席中の金本氏が来店。あいにく撮影の最中だったため対面はかなわなかったが、「鉄人」の登場した事実は当然、森下の耳にも入っていた。

 「(1492試合)連続フルイニング出場の記録は知っている。プレー自体はあまり見たことはなかったが、偉大な人だ、ということは分かっています」

 03年に広島から阪神へ移籍し、2度のリーグ優勝に貢献。04年には左手首を骨折しながら試合に出続けた。1492試合連続フルイニング出場の世界記録を持つ「鉄人」が引退した12年、森下はまだ12歳だった。しかも神奈川県出身で「プレー自体はあまり見ていない」。それでも同じプロ野球選手となって1年を過ごし、その凄さは身に染みて分かる。

 「1シーズンの143試合でも凄いのに、1000を優に超えるというのは、とてつもない。考えられない。体の強さが、明らかな結果として出ている」

 今はまだ途方もない足跡だろう。それでもプロ野球選手なら誰もが目指すべき金字塔。守備固めも、代走も、もちろん代打も必要とせず、その存在だけで周囲を鼓舞する――。押しも押されもせぬ大黒柱に成長すべく、内面から磨きをかける。

 「おとこ気、気持ちも含めて金本さんという人。プレーだけではなく出続けることやケガしても出ること…プロで1年やったけど、凄いことだと思う」

 肉体改造にも励む。森下は今オフ、故障に強い体を手に入れるべくウエートトレーニングに重点を置く。「筋肥大、筋肉をデカくするような作業を今やっている。体づくりしとかないと、シーズン中にへばっちゃう」。地道な鍛錬の先に「シン・鉄人」の称号が待つ。

 「毎試合(フルイニングで)出る金本さんは信頼されているバッター。自分も、そういうケガに強い選手でいたいと思います」
 つかの間のバカンスで起きた小さな奇跡。「鉄人」の系譜を継ぐ意志も、忘れず日本へ持ち帰る。(八木 勇磨)

 《金本鉄人伝説》
 ▽捻挫でも激走 03年9月6日の横浜戦で、けん制球で帰塁の際に左足首を捻挫も、翌日の試合で先制打と三塁打。「チームに迷惑かけんようにと、ただそれだけ考えとった」

 ▽骨が折れても出る 04年7月29日の中日戦で岩瀬の投球を左手首に受けた。実際は軟骨が亀裂骨折していたが翌日以降も試合出場を継続。「骨折と分かるのが嫌だったので検査もしなかった」とシーズン後に明かしている。

 ▽指が飛んだら… 06年5月3日の巨人戦で守備の際に右手薬指を捻挫も出場を継続。同20日のオリックス戦では9回に「指が飛んだら拾ってくれ」と鳥谷に言い残して向かった打席で同点弾。

 ▽後頭部に死球、直後に本塁打 08年5月7日の巨人戦、3回に木佐貫から後頭部に死球。約3分間もうずくまっていたが、6回の次打席で門倉から本塁打を放った。

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