大谷翔平のバレロ代理人 歴史的契約の舞台裏を明かす 始まりは今春キャンプ中の大谷の“決心”から

2023年12月17日 08:44

野球

大谷翔平のバレロ代理人 歴史的契約の舞台裏を明かす 始まりは今春キャンプ中の大谷の“決心”から
会見であいさつする大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者が、エンゼルスからドジャースに移籍した大谷翔平投手(29)のネズ・バレロ代理人にカリフォルニア州ニューポートビーチのホテルで90分間の独占インタビュー。16日(日本時間17日)歴史的契約までの舞台裏を報じた。
 白いTシャツにテニスシューズのいで立ち。バレロ代理人はまず「今は信じられないほどの達成感がある。非現実的なほどだ。深呼吸をして、全てのことから、元に戻る回復過程にある」とリラックスした表情。

 全てがスタートしたのは23年の春のキャンプ中だった。大谷が自分の価値をオフのFA市場でテストしてみたいと決心、シーズン中の契約延長交渉はしないとエンゼルス側に伝えた。

 「そこから準備が始まった。細心の注意を払い、どうアプローチするかシナリオを戦略的に考えた」と言う。大事なのは交渉を内密に進めることだった。

 メディアの狂乱に巻き込まれないようにした。GM会議で、バレロ代理人は会場と別のホテルに宿泊し、興味を持つ球団幹部だけに会った。「球団数は、お金が多く必要だろうと球団側が考えたことで、元々凄く多いわけではなかった。GM会議は各球団の関心のレベルがどの程度かを知る良い機会。誰が真剣で、誰が宣伝目的なのかはわかる。それで半分くらいになった」と明かす。

 バレロ代理人は球団に内密にと頼んだ。球団側も即座に了承した。誰もどの球団が残っていて、どの球団が外れたかを知らない。どの球団がリードしているかも知らない。「メディアの中にはこれは歴史的な交渉なのだから、もっと情報を共有すべきと主張する人がいたと聞いた。私はその考えに100%同意できない。どうしてそんなことをする意味があるのか、考え出すことすらできなかった。この交渉は内密でなければならなかった」。

 8日に“大谷がプライベートジェットでトロントに向かった”との誤報が流れた。バレロ代理人は「カナダに対して、ブルージェイズ球団に対して、申し訳なく思う。大谷翔平を獲得できたと思ったら実はそうではなかった。ジェットコースターのように感情が激しく揺れ動いた。彼らが耐えねばならなかった心の痛みは正しいことではない。私が経験してきた中でも最も無謀な報道」と非難する。

 あの報道で、複数の球団が気も狂わんばかりに「何が本当なんだ」とバレロ代理人に電話をしてきたそうだ。ただドジャースとブルージェイズはわかっていた。ドジャースのフリードマン編成本部長によると、その同じ日の早い時間にバレロ代理人から10年総額7億ドル(約1015億円)で6億8000万ドルの後払いのリクエストを受け入れるのかどうかと尋ねられたばかりだったからだ。

 ブルージェイズも会う約束はしておらず、飛行機に乗ったというのは誤報だと知っていた。8日の午後5時、バレロ代理人は大谷の家で本人に会った。大谷はそこでドジャースと契約したいと決断を伝えた。驚きではなかったという。常に話の中心にあったチームだからだ。

 デーブ・ロバーツ監督がウインターミーティングで大谷と会ったことをメディアに明かし、何であろうと大谷関連の情報を明るみに出せば、そのチームにとって交渉で不利になると世間で大騒ぎになっていたことについては2人で笑い合ったそうだ。

 「ばかげている。そんなことは私の口から一度も出たことはない。あの時、ロバーツ監督は正直に言っただけ。何の問題もない。見ての通り影響はなかった」。

 つらかったのは大谷が選ばなかったチームに決断を伝えること。9日、まずドジャースのフリードマンに契約すると伝え、そのあと、ブルージェイズ、ジャイアンツ、カブス、エンゼルスに連絡を取っている。

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