大谷翔平 トラウトとの友情は永遠に――再会し抱擁交わす 移籍後初の古巣との一戦

2024年03月07日 01:30

野球

大谷翔平 トラウトとの友情は永遠に――再会し抱擁交わす 移籍後初の古巣との一戦
試合前に熱いハグで再会を喜ぶ大谷とトラウト(AP) Photo By AP
 【オープン戦   ドジャース0―4エンゼルス ( 2024年3月5日    グレンデール )】 誰からも至高の2人と称された。ドジャースの大谷翔平投手(29)と、エンゼルスのマイク・トラウト外野手(32)。最強タッグ「トラウタニ」と呼ばれた盟友同士が5日(日本時間6日)、オープン戦で大谷の移籍後初対面した。昨春のWBC決勝では世界一を決める場面で宿命の対戦を迎え、現役最多の30度のアベックアーチを6年間で積み重ねてきた。つかの間の再会で、ド軍と結んだプロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(決定時約1015億円)の大型契約や、発表したばかりの結婚を祝福された。別々の道を歩むことになった2人が、見据える頂点は変わらない。秋の頂上決戦での再会へ、走り始めた。
 この2人、やはり強い絆で結ばれているのか。5回の最終3打席目。ドジャース・大谷が打ち上げた打球は左中間に飛び、エンゼルスの中堅手トラウトのグラブに収まった。大谷は一塁を回ったところで右手を上げトラウトに合図を送り、笑顔のまま出番を終えた。

 「もう全員“契約、おめでとう”ということと、“家族も含めてお互い元気か?”という、普通の感じ(の会話)だった」

 試合開始約30分前にグラウンドに現れた大谷は、まず米1年目から知る外野手ウォードに飛びつかれ再会に歓喜。捕手オハピー、ネト内野手らと談笑し、その後は現役最多通算30度のアベック弾を記録した盟友に自ら駆け寄った。左翼付近から球場入りしたトラウトは「My Buddy!(俺の相棒!)」と絶叫。ハグを交わすと約1分間、旧交を温め、水原一平通訳と3人で記念撮影する場面もあった。トラウトは「結婚と契約、この冬にあった全てのお祝いを伝えた。僕らは友達だ」とうれしそうに振り返った。敵地への遠征にわざわざ同行し、2打数1安打1四球で3打席を踏んだ。

 このオフにエンゼルスからFAとなり、昨年12月9日にプロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(決定時約1015億円)の大型契約でドジャースに移籍した。最後まで迷った球団の一つがエ軍だった。当時を「決まる前に一番考えた。決まった後は互いにシーズンへ切り替えて向かうので。交渉の段階が一番考えた」と回顧した。この日は3打席で無安打、2三振。オープン戦の連続試合安打は3、連続打席出塁は7で止まったが、かつての仲間との戦いに「変な感じはない。向こうのホームだったらまたちょっと違う。今回はこちらがホームであまり違和感はなかった」と笑みを浮かべた。

 MVP3度のトラウトをネクストバッターズサークルから見つめる場面が多かったが、今は18年MVPのベッツの後ろを打つ。「どちらも良い打者。勉強になることが多い。自分の打席も考えながら、どのように打席を送るのか、見ながら勉強している」。もう古巣に未練はない。進む道は別々となったが、目指すべき頂点だけは同じもの。交代後のクラブハウスで何か吹っ切れたように柔和な笑みを浮かべていた。(柳原 直之)

 ▽大谷とトラウト 18年のキャンプ中にトラウトからニックネームを「ショーウィー」と早々に命名され、チームに浸透した。21年の本塁打競争の際には故障で球宴出場を辞退したトラウトから激励の電話を受け、22年にはチーム便がトラブルで遅延した際に、トラウトのプライベートジェットに乗せてもらったことも。昨年3月21日のWBC決勝では、3―2の9回2死で初対戦し、空振り三振。日本が世界一を決め、大谷がMVPに輝いた。2人の愛称は「TROUTANI(トラウタニ)」。

おすすめテーマ

2024年03月07日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム