DeNA 会津若松出身の西巻 震災の日に「生」に感謝。「自分もどうなっていたか」3球団渡り歩く苦労人

2024年03月11日 15:08

野球

DeNA 会津若松出身の西巻 震災の日に「生」に感謝。「自分もどうなっていたか」3球団渡り歩く苦労人
DeNAの西巻 Photo By スポニチ
 福島県会津若松市出身のDeNA・西巻賢二内野手(24)が11日、東日本大震災から13年経ったこの日に当時を振り返った
 大震災の当日。小学5年生だった西巻少年は、翌日に南相馬市内で行われる少年野球の試合を心待ちにしながら、学校で授業をうけていた。

 午後2時46分。大きな揺れを感じ、時間とともに被害の甚大さを知る。「そのときのことを今でも鮮明に覚えている。南相馬にも知り合いはいたし、安否確認を続けていた」と振り返る。

 そして思った。「もし震災が一日ずれていたら…。南相馬にいた自分の人生は、どうなっていたかわからない」。会津地方は沿岸ほどの被害は受けなかったが、そのことがあり、被災者への追悼の気持ちは永遠に消え去ることはない。「だから、この日はいつも必ず当日の映像を見て、決して記憶から消さないようにしている」と続けた。

 今年元日。さらに会津に帰省し父方の祖父の葬儀に参列中、能登半島地震の影響を受けた。「供花が倒れたりした」と、このときも地震に緊張が走ったという。

 仙台育英では甲子園に春夏通じて11試合に出場し、高校日本代表にも選出されたが、プロ入り後は楽天、ロッテで2度の戦力外通告を受けた苦労人。昨オフにDeNAに入団し、今年が勝負の年と背番号67は覚悟を決めている。

 「今年も正月から地震があって、いろいろと考えさせられてきた。だからこそ、本当に自分も頑張らないと、と思う。今年は(守備位置にも)こだわりを持たずに1軍の戦力になりたい。どうなっていたかわからない人生だから、その分生きることに感謝して取り組んでいかないと」。

 1メートル67、70キロは柴田とともに球団では最も小柄。だが西巻賢二は「生」への感謝と、追悼の気持ちを胸に刻み、堂々と胸を張って1軍生き残りへと突き進んでいく。
 (大木 穂高)

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