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米国重鎮記者が説く、大谷がDHであってもMVPの理由 OPS+はじめ、注視すべきデータを説明

2024年07月13日 08:40

野球

米国重鎮記者が説く、大谷がDHであってもMVPの理由 OPS+はじめ、注視すべきデータを説明
ドジャース・大谷翔平 Photo By スポニチ
 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のジェイソン・スターク記者が、12日(日本時間13日)にナ・リーグMVP争いでドジャースの大谷翔平がフィリーズのブライス・ハーパーを上回っているとしている。
 24年、大谷は投げず、フィールドでもプレーせず、打つだけだからMVP獲得は難しいと当初考えられていた。過去の偉大なDHデビッド・オルティーズ、エドガー・マルティネスが取れなかったからだ。DHはMVPトロフィーをもらえない、あるいは取るべきではないと見られていた。しかし大谷は特別だった。

 現在、190のOPS+。OPS+はシーズンやリーグの異なる選手同士を比較できる傑出度を測る指標。平均に対する得点力の大きさをパーセンテージで表す。OPS+100を平均として、OPS+が150の打者は平均より50%高い得点力を持っていることになる。大谷が最後までこの数字を維持すればこれまでのどのDHよりも優れたシーズンとなる。唯一それに近づけたのは95年の185 OPS+のマルティネスだけ。95年のMVPレースでは4個の1位票を得たものの、トータル3位だった。

 170以上のOPS+を記録した他のDHに、07年のオルティーズ(171)、14年のビクター・マルティネス(172)、06年のトラビス・ハフナー(181)がいるが誰も1位票をもらえなかった。史上最強のDHと言われるオルティーズは、MVP投票で6度トップ6に選ばれたが、キャリア全体で獲得した1位票は17個。05年に2位になった時の11票、03年の4票、04年と16年の各1票だった。03年から07年の5シーズンで、ビッグ・パピはア・リーグで最も高いOPS(1.014)を記録し、チームは2度世界一になったがMVPトロフィーには縁がなかった。しかしながら、大谷は今季ここまでナ・リーグでホームラン、長打数、長打率、OPS、得点でリーグをリードしている。これらのカテゴリー全てでシーズンを通してリーグをリードしたDHはこれまで一人もいなかった。

 過去70年間、全ての野手で、それを達成した選手は8人。アーロン・ジャッジ(22年)、ミッキー・マントル(1956年)、カル・ヤストレムスキー(1967年)、フランク・ロビンソン(1966年)、アルバート・プホルス(2009年)、マイク・シュミット(1981年)、ジョージ・フォスター(1977年)、ライアン・ブラウン(2012年)。そのうちMVPでなかったのはブラウンだけ(2位、1位は捕手のバスター・ポージー)だった。スターク記者はこういったデータから、ハーパーが守備をしていると言っても大谷には対抗できないとしている。72歳のスターク記者は影響力の大きい重鎮記者。OPS+、ホームラン、長打数、長打率、OPS、得点の数字は最後まで注目だ。

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