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広島・秋山 119打席ぶりの3号ソロで勝利導く 「たまたまですね。こういうのも打てるんだな…と」

2024年07月13日 05:45

野球

広島・秋山 119打席ぶりの3号ソロで勝利導く 「たまたまですね。こういうのも打てるんだな…と」
<広・ヤ>5回、勝ち越し本塁打を放ち、ナインとタッチを交わす秋山(右)(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島4-3ヤクルト ( 2024年7月12日    マツダ )】 広島・秋山翔吾外野手(36)が12日のヤクルト戦で殊勲の決勝弾を放った。同点の5回先頭で内角スライダーを右翼席へ。6月5日の日本ハム戦以来、実に119打席ぶりの3号ソロだ。床田寛樹投手(29)は6回3失点の粘投で8勝目。9回は栗林良吏投手(28)が23セーブ目で締めて連敗を4で止め、4位から2位浮上に成功した。
 今後の上昇を予感させる一撃だった。同点の5回、先頭・秋山が左腕・石川に痛打を見舞う。カウント1―2からの内角スライダーを捉えた打球は真っ赤な本拠地の右翼席へ。6月5日の日本ハム戦以来、実に119打席ぶりの3号ソロ。殊勲の決勝弾だった。

 「たまたまですね。狙った球ではないし、追い込まれてもいたけど、いい反応で、いいポイントで打てた。こういうのも打てるんだな…と久々に思った」

 3回の先頭でも、難しい高めの内角球を中前へはじき返し、マルチ安打。成績がダウンした昨季終盤「内角が反応で打てなくなっているのかも」と思案したことを思い起こせば、状態の良さは明らかだ。事実、試合後にはこうも付言した。

 「こういうのが出てくると、打撃にもゆとりが出る。いい打席が増える兆しになれば」

 3年契約の3年目。新春1月の伊豆・下田自主トレで、強い危機感と今季に懸ける思いを明かした。勝負どころの夏場に2度の故障離脱を余儀なくされ、不本意な失速で終幕を迎えた昨季の反省を踏まえた発言だった。

 「全試合に出たくても、昨季の成績だとそうはいかない。試合に出たい、打席に立ちたい…という気持ちを持って準備したい」
 その言葉を忠実に実行する。欠場は今季2試合のみ。ここまで76試合に出場し、攻守走でフォア・ザ・チームを体現する。新井監督は「こっちも“休みがいるか?”と聞くんだけど、“いりません”と。本当に元気なベテラン。本当に頼りになる」と目を細めた。

 チームの連敗を4で止め、2位浮上に導いた価値ある一撃。守り勝つ野球をけん引する投手陣への負担を踏まえ、リードオフマンは言葉に力を込める。

 「床田も苦しい中で勝ちが付いたことで、次はもっといい投球をしたい…と多分思ってくれる。こういう試合が増えれば、キュウキュウの中で投げなくて済む。やってあげたい…と、ずっと思っているんですけどね。チームは救い合いなので」

 胸突き八丁のここからが勝負。同じ轍(てつ)は踏まない。豊富なキャリアを誇る36歳は、十分に分かっている。(江尾 卓也)

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