井上尚弥が最速5年7カ月で史上2人目の2階級4団体王座統一 10回KO勝利で10本目世界ベルト
2023年12月26日 20:46
格闘技
しかしタパレスもひるまず前に出て井上にパンチを当てた。戦いは終盤にもつれ込んだ。迎えた10回だった。右ストレートがタパレスの左こめかみ付近にヒットすると、タパレスは後ろに下がった後でひざをつき、最後まで立ち上がれなかった。
自ら「歴史的な試合」と位置づけていた一戦で世界最強を証明した。アジア人、軽量級初の快挙となる2階級での4団体統一。日本人初の4団体統一した昨年12月から一年後に再びスーパーバンタム級で快挙を成し遂げた。
テレンス・クロフォード(米国)に続く史上2人目。15年4月にWBOスーパーライト級王座を獲得したクロフォードは今年7月にウエルター級で4団体統一し、8年3カ月で達成。対する井上は18年5月にジェイミー・マクドネル(英国)に1回TKO勝ちしてWBA世界バンタム級王座を獲得してから5年7カ月となり、最速の達成。2階級目の最初の王座獲得から数えると、クロフォードは5年1カ月、井上はわずか5カ月となる超スピード達成だ。
スーパーバンタム級初戦だった7月のスティーブン・フルトン戦から今回で2戦目。「フィット感はかなりあると思う。前回よりもっとプラスによく仕上げることができた」と前日計量では仕上がった肉体を披露。60・1キロに戻して臨む構想を明かしていたこの日は、無敗だったフルトンに8回TKO勝ちした一戦目同様、タパレスを圧倒した。
戦前は井上の圧倒的有利を予想する声が大半だった中「周りの楽勝ムードを吹き飛ばすため」とこの試合に向け、116ラウンドのスパーリングを消化。10月下旬から来日した、メキシコ人4選手と両目付近にあざを残しながらも、過去最多の回数を重ねてきた。「4選手ともタイプが違い、強さもスピードもあった。最近にない、いい練習できた」と大橋秀行会長は過去最強の練習パートナーだったことを説明。井上自身も「成長できたし、いろんな意味合いを持った凄くいいトレーニングだった」と壮絶スパーに手応えを口にしていた。
この勝利で、世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34=姿勢)に並ぶ日本人最多タイの世界戦21勝目。世界ベルト獲得数は日本人次点の井岡の6個を大きく引き離す断トツの10個目となった。将来は「日本人はたどり着けないだろう位置に行きたい」と話してきた井上が、世界的にも前人未到の領域に入った。
▼井上 まず対戦を受けてくれたマーロン・タパレス選手、本当に感謝したいと思います。ありがとうございました。約1年ぶりに、階級は違いますが、こうして4本のベルトを集めることができたのも、こうしてみなさんの応援のおかげです。スーパーバンタム級では4つのベルトを集めましたが、今の適正階級はスーパーバンタム級だと思ってますので、来年、再来年とまたこの階級でもっと強い姿を見せられるように精進したいと思います。非常にタフで気持ちの強い選手でした。自分が戦前予想していた通りの選手でした。またそんな選手に10ラウンドKOで勝つことができて、本当に自分がやってきたことが証明されて、ホッとしています。ポイント的にリードしているなというのは感覚的につかんでいたが、非常にポーカーフェースできいている様子とかを耐えていたので、正直、10ラウンド崩れ落ちた時はビックリしましたけど。自分もいいパンチを蓄積させていたので、相当ダメージはあったのかなと思います。自分も非常にピリピリしながら試合を進められた。来年5月に噂されている試合というものが実現するかどうかはこれから交渉を詰めていくところですが、みなさんファンが喜ぶような試合、観たいという試合を実現していきたいと思いますので、どんどん声をあげていただけたらと思います。
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