利根川裕さん死去 96歳 「トゥナイト」司会、東大卒作家 “深夜の顔”上品な語り口調で人気に
2024年02月06日 05:30
芸能
東大卒業後、高校の教師を経て中央公論社に入社。女性雑誌「婦人公論」の副編集長などを務めた後、作家生活に入った。小説「糸魚川心中」と「B少年の弁明」はともに直木賞候補に選ばれた。
1980~94年に「トゥナイト」の司会を担当。落ち着きのある上品な語り口調で番組を進行し、同局の“深夜の顔”として長く視聴者に親しまれた。
親子の会話もテレビの話題が多く、展さんは「凄く温厚な性格。同じ業界の人として対等に話をさせてもらった。テレビはこうあるべき、情報番組はどうあるべきか、そんな話をよくした」。大人のワイドショーの走りだったトゥナイトについては「“私はどんな話題でも同じ立場でコメントすることを心がけている”と言っていた。真面目なことからお色気モノまで、同じスタンスで見るようにしていたのだと思う」と語った。
文化系の趣味が多く、晩年も歌舞伎や演劇観賞、自宅のオーディオセットでクラシック音楽を楽しんだ。2年前からはピアノを習い、90歳を超えても好奇心旺盛だった。展さんは「人生を楽しんだと思います」と話した。
利根川 裕(とねがわ・ゆたか)1927年(昭2)3月28日生まれ、新潟県出身。東大文学部哲学科を卒業後、都立上野高校の教員となった。作家として「それぞれの方舟」「宴」「十一世市川團十郎」などを発表。87年スタートのテレビ朝日「朝まで生テレビ!」の第1回討論では司会を務めた。NHK教育「芸能花舞台」にも出演。
≪クドカンドラマでも登場 TBS「不適切にもほどがある!≫ 「トゥナイト」は時代を象徴する番組として、放送中のTBSドラマ「不適切にもほどがある!」の第1話にも登場した。阿部サダヲ(53)演じる昭和の体育教師が令和にタイムスリップする物語で、その体育教師が「昭和に帰って“トゥナイト”見た~い」と切望するせりふがあった。