ALSOK杯第74期王将戦2次予選展望 昨年度勝率・850の藤本五段は「死の組」初戦で斎藤八段と対戦

2024年06月14日 12:48

芸能

 将棋のALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は13日、1次予選の最終局を行い、2次予選進出9人が出そろった。26日開幕の2次予選では、残留組との計18人で3枠ある挑戦者決定リーグ入りを争う。
 挑戦者決定リーグは前期挑戦者の菅井竜也八段(32)、前期リーグから残留した羽生善治九段(53)、永瀬拓矢九段(31)、近藤誠也七段(27)との計7人が総当たり。6局ずつ指して藤井聡太王将(21)=8冠=への挑戦を目指す。

 発表された2次予選トーナメント表から、注目は3組だろうか。1回戦で斎藤慎太郎八段(31)と藤本渚五段(18)が対戦し、勝者が渡辺明九段(40)とぶつかる。そして決勝で谷川浩司17世名人(62)、広瀬章人九段(37)、服部慎一郎六段(24)3者からの勝ち上がりと対戦する「死の組」だ。

 藤本は昨年度51勝9敗の勝率・850で、・852の藤井と勝率1位賞を争った。中原誠16世名人が1967年度に記録した・854にも肉薄した現役最年少棋士が、斎藤の胸を借りる。

 20、21年度と2年連続名人戦挑戦者になった斎藤はその後、タイトル戦への挑戦機会を得られていないが、7月6日開幕の王位戦7番勝負では挑戦者・渡辺と挑戦者決定戦で対戦。優勝した挑戦者決定リーグ紅組では、初対戦の藤本を矢倉で下した。

 その勝者が次に戦う渡辺は、王位戦で藤井に挑む。タイトル戦は昨年度名人戦以来1年ぶり。王将戦では21年度、藤井に7番勝負で敗れて4連覇できずに陥落。前期挑戦者決定リーグでは1勝5敗の不調に沈み、今期は2次予選からの参戦となった。

 藤本をはじめ、1次予選からの勝ち上がり組9人に期待したいのは王将戦史上、1次予選出場者が30年以上、挑戦権を獲得できていないからだ。

 92年度開催の第42期・村山聖九段が最後。7番勝負では谷川に挑み、0勝4敗だったが俳優・松山ケンイチ主演で映画化もされた小説「聖の青春」の主人公がいかに怪力を誇ったかの証だろう。1次予選を4連勝、2次予選で3連勝、さらに1人が挑戦、3人が残留、3人が陥落する新旧勢力の入れ替わりの激しさから「棋界一過酷なリーグ」の突破が求められる。

 過去73期で王将位に就いたのは藤井までで計17人。今期は下克上が起きるのか起きないのか。夏から秋にかけての戦いを見守りたい。(将棋担当・筒崎嘉一)

おすすめテーマ

2024年06月14日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム