東大准教授「news23」での「反五輪」発言に反響 スポーツウオッシュの問題点指摘「私は抵抗したい」

2024年07月31日 16:56

芸能

東大准教授「news23」での「反五輪」発言に反響 スポーツウオッシュの問題点指摘「私は抵抗したい」
東京・赤坂のTBS社屋 Photo By スポニチ
 東京大学准教授で経済思想・社会思想が専門の斎藤幸平氏(37)による「五輪ボイコット」発言が話題となっている。
 斎藤氏は29日にTBS「news23」(月~木曜後11・00、金曜後11・58)にコメンテーターとして出演した際、小川彩佳キャスターから「選手の皆さんの奮闘の一方で、さまざま物議を醸しているこのパリで開催されているオリンピックでもありますが、斎藤さんはご覧になっていますか?」と聞かれると「いや~全然見てないですね」と返答。小川キャスターと同局の藤森祥平アナウンサーが「全然?」「全く?」と反応すると、「私、反五輪で、ボイコットしてるんですけど」と笑みを浮かべつつ自身の立場を表明した。

 “ボイコット”の理由について「いろいろある」とし、「行き過ぎた商業主義が好きじゃないとかもあるが、やっぱり今回私が一番理由にしているのはスポーツウオッシュに加担したくないっていうことで」と説明。「イスラエルの問題で、ロシアは今戦争を理由に出ることができないわけですね。ところが国際司法裁判所のICJがイスラエルのやっていることはジェノサイドであり占領政策自体も国際法違反だと勧告している。にもかかわらず国際社会やオリンピック協会はイスラエルとしての参加は認めているダブルスタンダードがある」とパレスチナ自治区ガザ地区で攻撃を続けるイスラエルの五輪参加に言及。

 「これでみんなで盛り上がって“平和の祭典よかったね”っていうふうにみんながなってしまったら、もしかしたらパレスチナ、ガザの人たちが忘れられてしまって、ジェノサイドを覚えている人たちがいないっていうことに、私は少しでも抵抗したいなと思って、見ないようにはしてるっていうことですね」と続けた。

 この発言がSNSやネット記事で拡散されると、ネットでは「よくぞ言ってくれた」「素晴らしいコメントだった」「国内でも大切なことが報道されていない」「こういう意見が報道されるのは貴重」「日本もこういう意見がどんどん出て来なければ」「五輪のニュース一辺倒のニュース番組に対する意見なのかも」などの意見が上がった。

 斎藤氏は27日のTBSラジオ「まとめて!土曜日」(土曜前7・00)では、サッカーで五輪に出場経験がある政治学者で米パシフィック大教授のジュールズ・ボイコフ氏の「祝賀資本主義」という言葉を引用して「五輪のような大きなイベントで盛り上がると、空気的に批判しにくくなる。盛り上がっている間にいろんな人たちが利権や賄賂で懐を潤していく。日本でも東京五輪の汚職の問題があって、まさにあれが祝賀資本主義の本質ということで、ますます格差が広がったりしていく。そこを批判しているのがこの概念」と説明。

 パリ五輪については「95%ぐらいの競技場は再利用や仮設にすることで、簡素なオリンピックを実現しようとしている。東京の時とだいぶ変わってきた」と環境問題への配慮などポジティブな面にも目を向けた斎藤氏。それでも再開発による移民排除など“祝賀資本主義”による問題点は多くあるとし、「五輪が始まってメダルを取り始めると、報道が“メダルラッシュで凄い!”みたいになる」と報道する側の姿勢も指摘した。

おすすめテーマ

2024年07月31日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム