ソル・ギョング「旋風」で約30年ぶりにドラマ出演“新たな役・面白い話であればまたやりたい”

2024年08月25日 14:30

写真=Netflix
俳優ソル・ギョングが「旋風」に関するエピソードを伝えた。

最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェでは、Netflixシリーズ「旋風」に出演した俳優ソル・ギョングのインタビューが行われた。

「旋風」は、世界をひっくり返すために大統領暗殺を決意した国務総理のパク・ドンホ(ソル・ギョング)と、彼を阻止して権力を手に入れようとする経済副総理のチョン・スジン(キム・ヒエ)の対決を描いた作品だ。

この日、ソル・ギョングは作品公開の感想について「94年にドラマに出演してから、その時とは環境が全く異なるドラマに出演することになりました。ある意味、シリーズ物に出演することは初めてだったのですが、楽しく撮りました」とし「実はかなり緊張していたんです。(映画とは)環境が全く異なるだろうと予想していました。映画より撮影時間は長いとは思ったけれど、それでも余裕を持って撮りました。もちろん、僕のキャラクターがほとんど歩き回らないので、そこから来るメリットもありました」と冗談を言った。

彼は「最初にこの作品に出演すると言ったら、周りは皆心配していたんです。『容易ではないと思う』『その脚本家さんはチョク台本(撮影直前で渡される、その時に撮るシーンの台本)で有名だけど?』というような反応でした。ところが、台本はすぐにもらうことができました。前作に出演した俳優たちが驚いていました。当時、制作会社ではチョク台本の話はしなかったですし、できるだけ台本をはやくもらえるようにすると言っていました。それで安心しました。普段よく使わない言葉で書かれた台本が、チョク台本ではなかったのが奇跡でした。(チョク台本だったら)手に負えなかったと思います。最初から5冊もらいました」と振り返った。

それから「実を言うと、僕は脚本家のパク・ギョンスさんのことをよく知らなかったんです。最初に5冊もらったけれど、その文章が日常の言葉ではないのに、力がありました。僕は本当に面白くなければ、台本をその場で一気に読むことができない人間です。でも『旋風』は5冊を一気に読みました。そのようにして脚本家さんを知って、好感を持つようになりました。初めて脚本家さんに会った時、『僕は1分1秒も退屈なのが嫌いなんです。僕が退屈なら視聴者も退屈だから』と言っていました。僕も退屈ではありませんでした。脚本家さんへの信頼から、作品を選びました」と説明した。

彼は1994年、MBCドラマ「大きいお姉さん」でドラマデビューして以来、久しぶりにドラマに復帰した。これに対し、「撮るべき分量が多く、呼吸も長かったです。全部で12話じゃないですか。映画は2時間でちょうど終わるけれど、ドラマは1話の40分を集めれば、とてつもない量ですよね。呼吸を逃す部分もありますし。順番通りに撮るわけでもないですし。パク・ドンホという人物は真ん中にいて、時間が経つにつれて俳優たちはどんどん入ってくるので、ある瞬間パニックになりました。自ら足踏みするような感じもしましたし。撮影する状況は変わっているのに、同じ状況のような気がして難しかったです。そのため監督に空間を変えてほしいと言ったりもしました。僕の頭の中では前に進んでいないような気がして、苦しかったです」とドラマ撮影の大変さを吐露した。

脚本家のパク・ギョンスとの相性についても語った。彼は「脚本家さんが演技について要求したことはありませんでした。ここに重点を置いて演技してほしいという話もなかったです。一日で撮るべき分量が多かったので、毎日スピード感を持って撮らなければなりませんでした。映画では物足りないところがあったらもう一度いっていみょうというふうになるけれど、今回はそうする余裕がありませんでした。また、映画は脚本家さんの存在感がそこまで大きくないんです。監督が現場で(台本を)変えることもあるけれど、ドラマは脚本家さんの存在感が大きかったです。僕はほぼ映画だけをやってきたので、脚本家さんとのコミュニケーションを全く考えたことがありませんでした」とし「作品が終わってからたくさんコミュニケーションしましたが、恥ずかしがり屋で、人前であまりしゃべれない方でした。制作発表会の時もものすごく緊張されていました」と笑った。

彼は劇中、腐敗した勢力を一掃するため、喜んで手を血に染めることを決心した国務総理パク・ドンホ役に扮し、熱演を繰り広げた。彼はパク・ドンホについて「僕はパク・ドンホが現実的な人物だとは思いませんでした。ファンタジーだと思いました。こんな人がどこにいる? と思いました。それでも登場人物の中でファンタジーになってはいけないですし、人と混ざるべきだと思いました」と振り返った。特にパク・ドンホが死を迎えることについては「びっくりしました。監獄に行くだろうと思っていたんです。そこまでして自分のものを守るんだと思いました。ただ、僕がパク・ドンホではなく人間ソル・ギョングだからか、当時撮影する時に後ろに落ちるシーンで、思わずワイヤーを握りました。本当に思わず。ワイヤーがあるにもかかわらず、怖かったです」と振り返った。

また彼はパク・ドンホについて「危険で恐ろしい人です。何かを決めたら、そこに向かって疾走する人です。家庭の事情が少し出てきたけれど、それは編集されました」とし「もし実際にパク・ドンホのような人に最高権力を与えれば、危険だと思います。もちろん、すっきりした部分もあるだろうけれど。全体の過程を見れば、権力を利用して自身の欲望を叶えましたが、その過程はもっと大きな悪だったと思います。ご覧になる方によって違うでしょうが、話そのものが危険な信念と堕落した信念がぶつかったものなので、僕はチョン・スジンも、パク・ドンホのような人物も(実際には)望みません」と伝えた。

パク・ドンホとのシンクロ率については、「僕はドンホとは違って、信念のようなものがないんです。信念が何かもよく分かりません。与えられたことだけを一生懸命にやります。大義はありません」と語った。しかし、演技の中で新しさを追求する信念だけは確かにあった。

彼は「演技そのものを、哲学を持ってやってはいないと思います。迷惑をかけないように、自分がやるべきことを一生懸命にやろうとしています。僕の哲学はこれだというのはよく分かりません。抽象的だと思います。僕に与えられた作品を本当に一生懸命にやって、今日を一生懸命に生きます」とし「演技は蓄積して何かになるわけではないと思います。僕を材料として使うのが演技なので、別の役を演じるとはいえ、重なるしかない苦しさもあります。役も職業も違うのに、結局僕がやることだから重なりますし、解決策がないことが苦しいです。演技が蓄積する感じはあまりしません。新しい作品に出演する度に怖いですし、緊張します」と打ち明けた。

続けて「新しい役もやってみて、重ならないようにしようとしてはいるけれど、それでも外形的には重なっている気分です。重ならないという言葉が聞きたくて頑張っています。今回の『旋風』でも、自分なりにベストを尽くしました。段階ごとに欲を出した部分があって、ある時とまたある時は、異なる欲がありました。それが見えたのかは分かりません。計画と設計はあったけれど、設計だけは現実的にはうまくできませんでした。目標はあったけれど、容易ではありませんでした」とし「周りでこのような話はしていました。『速度を調整して、次のキャラクターを準備してみよう』と。しかし、時間があるからといって準備はできるのだろうか? と思いました」と打ち明けた。

さらに、彼は「僕は演技は研究したり、教えるものではないと思います。感じるものです。そのため、作品のオファーが来なくてやらない時はあっても、次のキャラクターのための準備期間を口実に、作品に出演しないということはありません。僕は重ならないと思ったら、そのまますぐに作品に入ります。自分なりには重ならないと思ってやります。見ている方は『ああ、もううんざり』と思うかもしれませんけど」と笑いながら、「『旋風』に出演する前までは、言葉では『台本が良ければドラマもやらないと』と思っていたけれど、心の中では少しドラマについてのある種の観念のようなものがあったと思います。しかし、ドラマ『ハイパーナイフ』を次回作に決めたことを考えれば、心の中でドラマに対する観念が少し崩れたのだと思います。見せたことのないキャラクターだったり、面白ければまたドラマに出演するのではないかと思います」と抱負を語った。

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