五輪連覇の大野将平「この景色を目に焼き付けておこう」 柔道の聖地での金メダルに感激

2021年07月26日 20:05

柔道

五輪連覇の大野将平「この景色を目に焼き付けておこう」 柔道の聖地での金メダルに感激
<東京五輪・柔道柔道男子73キロ級>金メダルの大野将平は畳から引き揚げる前にしばらく感傷に浸る(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【東京五輪第4日 柔道男子73キロ級 ( 2021年7月26日    日本武道館 )】 柔道男子73キロ級の大野将平(29=旭化成)が、決勝戦でシャフダトゥアシビリ(ジョージア)を破り、金メダルに輝いた。16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得し、今回の柔道代表では唯一となる五輪2連覇を達成。日本選手では、斉藤仁、野村忠宏(3連覇)、谷(田村)亮子、内柴正人、谷本歩実、上野雅恵に次ぐ7人目の快挙となった。
 試合終了後の礼をすると、大野は天を仰いだ。決勝は9分25秒の大激戦。組み手争いで嫌がるシャフダトゥアシビリとは、延長戦までもつれ込んだ。大野も延長で指導を2つ受ける展開となったが、最後は支釣込足で技ありを奪い、決着をつけた。

 強さを表現する言葉が見当たらないほど強かった。準々決勝まではオール一本勝ち。しっかりと組んで相手に重圧をかけて、リオ五輪「銀」のオルジョフ(アゼルバイジャン)に対しても力の差を見せつけた。準決勝はツェンドチル(モンゴル)に逃げられ、延長戦に入ったが、最後は逃さなかった。焦らずにチャンスをうかがい、ものにした。

 死闘を終えた大野は「リオデジャネイロ五輪を終えて、苦しくて、つらい日々を凝縮したような、そんな一日の戦いでした」と振り返った。最後は、天井に視線を向けたことには「私も29歳となって、ベテランと呼ばれるところまで来た。この柔道の聖地、日本武道館で試合できることも少なくなってきていると自分自身で理解していたので、この景色を目に焼き付けておこうと思って、天井を見ました」と、柔道の聖地と言われる日本武道館での金メダル奪取に感慨深げに話した。

 五輪柔道の日本勢で連覇を達成したのは過去に6人。男子では84年ロサンゼルス、88年ソウル大会の95キロ超級を制した斉藤仁、96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネ大会の60キロ級で唯一の3連覇を達成した野村忠宏、アテネ、08年北京大会の66キロ級を制した内柴正人に次ぐ4人目の快挙だ。現役時代の04年アテネ大会では、2連覇はおろかメダルすら逃した井上康生監督の指導を受けてきただけに、「難しさを感じている。楽は試合は一つもない」と身構えていた舞台で、柔道史にその名を残した。

 リオ五輪後は修士論文執筆のため、1年以上も73キロ級での実戦を離れた。18年に本格的に五輪代表争い戦線に復帰後も、「いかに20年にピークを持って行くか」とマイペースを貫き、国内大会で講道学舎時代の先輩だった海老沼匡に敗れても、「黒星を付けていただいた」と言い切った。定めた照準にきっちりとピークを合わせ、昨年2月には2大会連続の五輪代表に内定。史上初の1年延期となり、1年5カ月もの実戦ブランクを周囲に心配される中、一切の不安を払しょくする戦いぶりで2連覇を達成した。

 ◆大野 将平(おおの・しょうへい)1992年(平4)2月3日生まれ、山口市出身の28歳。7歳で競技を始め、中学から柔道私塾・講道学舎に入門。世田谷学園―天理大。13、15年の世界選手権を制し、16年リオ五輪で金メダル獲得。17年は一時競技を離れ、本格復帰した18年はアジア大会優勝。19年の世界選手権は初戦から6試合オール一本勝ちで4年ぶりに制覇。旭化成所属。得意技は大外刈り、内股。右組み。1メートル70。

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