【バスケW杯】渡辺雄太が号泣「最高。本当にみんなのおかげ」 パリ五輪切符獲得で仲間に、ファンに感謝

2023年09月02日 21:51

バスケット

【バスケW杯】渡辺雄太が号泣「最高。本当にみんなのおかげ」 パリ五輪切符獲得で仲間に、ファンに感謝
<バスケW杯順位決定リーグO組 日本・カボベルデ>攻守で躍動する渡辺雄太(ロイター)
 【バスケットボール男子W杯順位決定リーグO組   日本80ー71カボベルデ ( 2023年9月2日    沖縄アリーナ )】 バスケットボール男子W杯の順位決定リーグO組で、日本がカボベルデを下した。今大会のアジア勢1位を確定させ、24年パリ五輪の出場権を獲得。自力での五輪切符は76年モントリオール五輪以来、48年ぶりとなった。
 歓喜の瞬間が訪れた。勝利のブザーが鳴り響くと、渡辺雄太(28=サンズ)はコート上でユニホームで顔を隠して人目をはばからずに涙をぬぐった。歓喜の涙に震える渡辺の下に、河村、富永らが駆け寄り、熱い抱擁を交わした。涙をぬぐった後、渡辺の表情には最高の笑みが浮かんでいた。

 そして、インタビューでは「いったん、試合の話は置いといて。最高です。このためにみんなこの数カ月、大変な思いをしながら頑張ってきたので、やっと報われた気がします」と安堵の表情を浮かべた。

 今大会前には「代表引退」も辞さない覚悟を口にしていたが「あんなこと言った手前、正直不安もめちゃくちゃありました。もしかしたら、本当に今回が最後になるんじゃないかと。グループも大変でしたし」と本音を明かした。

 それでも、チーム全員でつかみ取ったパリ五輪切符。「みんな本当にしんどいときでも…みんなが頑張ってくれた。本当にみんなのおかげ。感謝してます」とあふれ出る涙をこらえきれなかった。

 ファンの声援にも感謝した。「沖縄のみなさんがこれだけ盛り上がってくれたおかげで、僕もまだまだこのユニホームを着てプレーすることができる。本当にここまで頑張ってきてよかった」と歓喜の涙を拭いた。

 最終戦でも躍動。前半はわずか5得点だったものの、試合開始直後にチーム最初の得点となる豪快なダンクシュートでチームに勢いをもたらした。今大会初の前半リードで折り返した後半は得点こそなかったものの、相手シュートをブロック、10リバウンドを記録するなど、積極的な守備でチームを支えた。そして今大会初のフル出場でチームを勝利に導いた。

 今大会に代表引退を懸け、並々ならぬ思いで挑んだ渡辺が大黒柱としてチームを支え続けた。カボベルデ戦前まで、今大会1試合平均33・8分出場し、17・3得点。開幕直前に右足首を捻挫して満身創痍(そうい)の中、チームで最も長くコートに立った。

 渡辺は11年8月に16歳で代表デビューし、世界の壁に屈してきた。16年リオ五輪最終予選で五輪切符を逃し、19年W杯は5戦全敗。開催国枠で出場した21年の東京五輪も3戦全敗に沈み、人一倍の責任を感じていた。

 世界最高峰リーグのNBAで身を削る戦いをしながら、日の丸にこだわり、「日本を強くしたい」という思いがようやく結実した。チームのもう一人の柱として期待されていた八村塁(25=レーカーズ)が不在の中で、67年ウルグアイ大会以来56年ぶり2度目のW杯の同一大会2勝を挙げた。2つの白星は、ともに第4Qでの大逆転劇だった。

 前半にチームが劣勢の状況にも、鼓舞し続けた。離されそうな時間帯に個人技で加点。2桁ビハインドになっても「1本ずつあせらず返そう」と選手を落ち着かせて勝利に導いた。

 ベネズエラ戦後には「あと1つ、絶対に勝ちます。必ずパリ五輪切符を獲って、死ぬまで代表活動を続けたい!」と宣言。死ぬまで代表か、代表ラストゲームか。全てが決まる最終戦で気合十分の大黒柱が見事チームを勝利に導き、パリ五輪切符とともに“生涯代表”も手にした。

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