【具体策つき】会社やめたいけど次がない!転職が怖い、不安なとき「勇気をもって踏み出す」方法
2023年10月16日 09:00
職場の人間関係やパワハラ、モラハラ、仕事内容が向いていないなど、転職を考えるきっかけはいくつもあります。
とはいえ、次の仕事が決まっていないタイミングで辞めるのはなかなか勇気がいること。そうでなくても、転職という環境の変化自体が大きなストレスになりますから、転職するかしないか決めかねている人も多いでしょう。
今回は、転職への第一歩を踏み出すための考え方を紹介します。教えてくれたのは、つのだデンタルケアクリニック院長で日本選択理論心理学会認定選択理論心理士の角田智之先生です。
会社を本当に辞めたいのに転職の勇気が出ない。なぜ?
まず、転職の勇気が出ない原因とその対処法を考えていきます。
理由1 会社に退職を告げたときに発生する苦痛感情
辞める場合、会社にその旨を伝えなければなりません。
人は、苦痛感情を回避する傾向があります。会社に退職を伝えた場合、自分が退職することで周囲に迷惑をかけてしまう、お世話になった会社に別れを告げることになる、一緒に頑張ってきた仲間を裏切ることになるかも、といった感情が起こる可能性があります。
そして、今日すぐに退職するわけではないので、残務期間が発生します。その期間は、会社や周囲の社員から「辞めるんだ」という目で見られます。
本人も「この期間を乗り切りさえすればいいや」という思考になるかもしれません。これはパッションダウンにつながります。
理由2 今後の生活への不安
また、“次の就職先が決まっていない”という場合、生活に対する不安も大きな要因になると考えられます。
それぞれの原因にどう対処していくか
原因を推測できたら、次は対処法です。どのような考え方をすれば、転職への勇気が湧いてくるでしょうか。
“苦痛感情”にはどう対処する?
退職の日を想像してみましょう。
周囲や会社に、「辞めるからだろうけれど、仕事も消化試合って感じだったね」と思われてしまう行動で残務期間を過ごすか、「○○さん、辞めちゃうんだ。最後の仕事ぶり凄かったね、辞めてしまうのが本当に惜しい!」と惜しまれながら退職するかは、自分で選択できます。
もし後者を選択した場合、退職までの期間にがんばったことは、転職先での仕事の向き合い方にもプラスに働くのではないでしょうか。
“次がないことへの不安”にはどう対処する?
不安の原因は、情報不足が大きく関係します。
次がない場合でも、退職後すぐに生活困窮してしまうわけではありません。年齢によっては退職金が出るかもしれませんし、失業手当の支給もあるでしょう。しかも、失業手当の額は予測できます。
現在の収入、生活の支出を計算して、いつまでに転職し、最低必要収入を割り出せば、いつまでに就職しないとならないかも見えてきます。
転職希望の業界とその業界の人材状況はどうなのか、採用率はどのくらいかなど状況分析し、就職希望時期から逆算することで、一日何社ほど面接の申し込みをすればよいか明らかになります。
情報が多くなれば不安も少なくなり、勇気とモチベーションが湧いてくるでしょう。
やりたいことが分からない場合、先にそこを探る必要がある
では、次の仕事もやりたいことも決まっていないけれど、今の会社は辞めたい。でも勇気が出ないといった場合、どうすればよいでしょうか。その場合、まず自分のやりたいことを明らかにする必要があります。
それが分かれば苦労しない! と言われそうですね。しかし、試してみて欲しい方法があります。
転職を考えていない人でも、自分の望むものを明らかにすることができますよ。
ステップ1 やりたいこと、なりたい姿を30個出す
まず、自分のやりたいことやなりたい姿を30個書いてみてください。なんでもOKです。
火星に行きたい、地球の中心を見てみたい、アラブの石油王になりたいなど非現実的なものでも大丈夫です。
ステップ2 現状的にできそうなものを10個選ぶ
書き終わったら、現実世界で実行できそうなものを10個ピックアップしてください。
ステップ3 10個を順位づけし、上位2つを選ぶ
それができたら、10個に順位づけをし、上位2個をピックアップしてください。これが、いまあなたが望んでいることです。
この2個を達成するために集中することが、自分の願望を実現するカギとなるはずです。
次が決まっていないのに退職するメリット・デメリット
この記事を読んでいるということは、次が決まっていないものの早く退職したい! と煮詰まっている人も多いでしょう。
ここでは、次が決まっていないうちに退職するメリットとデメリットを見ていきましょう。
先に退職するメリットは「背水の陣」
決まっていないのに転職することは、自ら背中の扉を閉めることです。もう後戻りできない状況を自ら作り出し、前進に集中できます。
次の会社の面接がダメだったから、いまの会社に留まろうということができません。“なにがなんでも”という思考を強くできます。
ただ注意が必要なのは、どんな状況になろうと肯定的解釈を忘れないことです。背中の扉が閉まっているので、あきらめの感情が出てくるとすぐに否定的解釈に侵されてしまいます。
先に退職するデメリットは「強い願望・目標がないと動けなくなる」
転職はものすごくパワーが必要です。
パワーはどこからくるのかといえば、願望です。願望が明らかでない場合は、すぐにパッションダウンしてしまいます。
カーナビと同様に、目的地が決まっていれば、道筋は複数あっても目指すところは同じです。ですが、もし目的地の入力できなければカーナビは機能せず、現在地を知らせるだけです。
そのため、やりたいことが明らかでない退職はデメリットが多くなるでしょう。
次が決まってなくても辞めたほうがいい会社とは
理念がない会社です。私はそう考えます。
理念とは“本来あるべき姿”です。理念は非常に重要で、業務における判断選択をする際、よりどころとなる考え方です。
これがなければ、海図のない海を社員が勝手に航海しているようなものです。
もし海で迷っても、コンパスと海図があれば目的地は見えています。判断に迷ったときは理念に立ち返れば良いという導きになります。
理念が社員に知られていない、押しつけになっているパターンも
立派な理念はあるものの、お飾りになってしまっている会社も残念です。理念が社員に浸透していなければ、何を目指して働いているのか分からなくなってしまいます。
社長や役員は、社員は自分の利益のために働いていると解釈し、社員側も上層部の利益のために働いていると感じてしまいます。これでは仕事のモチベーションも上がりません。
私が考える、会社を辞めたほうがいいサイン
体に何らかの症状が出ている場合は、退職を検討するサインなのではないでしょうか。
メンタルが体に及ぼす影響は計り知れないものがあります。症状も多彩で、私の専門である舌痛症もそのひとつです。舌が焼けるように痛くなったり、ヒリヒリ、ぴりぴりするのです。
ほか、胃が痛い、体が重い、なにかやる気が出ない、心臓のドキドキが止まらない、頭痛、腰痛があるなども挙げられます。
ストレスや思い通りになっていないことがあると、体は症状を出してきます。実際に胃潰瘍などの病気を作ってしまう場合もありますが、症状があるのに病院で調べても原因不明ということも多く見られます。それは、その方の抱えている大なり小なりの“不幸”が原因と思われます。
その“不幸”の原因が仕事や会社にあるとすれば、辞める選択も浮かんできます。
「会社を辞めたい相談」の角が立たない伝え方
はじめに“麻酔”を使うのがよいと思います。「??」と思われますよね。具体例を用いて解説します。
直属の上司へ、雑談から始める
まず、伝えるのは直属の上司がよいでしょう。いきなり本題に入らず、相手の興味関心のあることを話してみてください。
ゴルフが好きであれば、「最近ゴルフされていますか?」とか「どこのコースがお好きですか?」など。そのことについて、興味をもってしばらく話してみることも効果的です。
相談の流れに持っていく
その上で、「○○さん(上司)はどうしてうちの会社に入社されたのですか?」と聞いてみてください。「大学の就活で数社受かったけれど、社内の人が輝いて見えたから」など話してくれるかもしれません。
そうした話をした上で、「実は私も同じような動機で入社しましたが、最近悩みがあり、一回退職して自分自身を一度考えてみたいと思いまして」などという伝え方をしてみるのはいかがでしょうか。
“麻酔”で退職を告げられる側のショックを和らげる
いきなり「お話があります、実は○×で、○○だから辞めたいと思います」と話すのは、自分のことだけに焦点が当たっており、相談された相手も驚いてしまうでしょう。急に辞表届を出されるのも、いい気分はしないはずです。
最初に述べた“麻酔”とは、本題へ入る前の“雑談”です。
歯医者でいきなり歯をガリガリ削られると驚きますよね。上司も、本題をいきなり話されると驚きます。まず麻酔(雑談)をして痛みを和らげ、相手にフォーカスした話から進めれば、落ち着いた状況を作り出せるのではないでしょうか。
注意したい伝え方
自分のことばかり話したり、誰かの批判、ベクトルが自分だけに向いた話は、相手にうまく伝わらない可能性があります。
監修者プロフィール
角田智之(つのだ・ともゆき)
歯科医師。つのだデンタルケアクリニック院長・歯科医師臨床研修指導医・日本選択理論心理学会認定選択理論心理士。1992年、明海大学歯学部卒業。日本大学板橋病院、社会保険横浜中央病院、久留米大学病院、(医)高邦会高木病院歯科口腔外科を経て、2008年福岡市博多区につのだ歯科口腔クリニックを開設。2015年同じ博多区内で移転開設し、つのだデンタルケアクリニックに名称変更。予防診療と舌痛症のメンタルカウンセリングを行っている。専門分野は口腔外科、歯科心身症。
公式HP(https://tsunoda-dentoral.net)
舌専門サイト(舌痛症)(https://zettsu.com)
インスタグラム(https://instagram.com/tsunoda_dc)
<Edit:編集部>
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