【MGC女子】鈴木優花1位でパリ切符 24歳新星初五輪「自分らしい冷静かつ大胆な走りを実行できた」

2023年10月16日 04:30

マラソン

【MGC女子】鈴木優花1位でパリ切符 24歳新星初五輪「自分らしい冷静かつ大胆な走りを実行できた」
優勝し、初の五輪出場を決めた鈴木優花 (撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【マラソングランドチャンピオンシップ ( 2023年10月15日    東京・国立競技場発着の42・195キロ )】 24年のパリ五輪日本代表選考会として行われ、女子は鈴木優花(24=第一生命グループ)が2時間24分9秒で優勝し、初の五輪出場を決めた。
 無印の24歳が一発勝負のレースを制した。序盤から先頭集団につけていた鈴木は、23キロ過ぎで一山と細田が飛び出しても慌てない。「自分のリズムで押していけば、追いつくのは分かっていた」。38キロ過ぎで一山を捉えると一気に前へ。「最後まで余力を残して絞り出せた」と、そのままフィニッシュ。笑顔で五輪切符を射止めた。

 「2番以内に入れば五輪は決まるけど、世界と戦うには日本で1番を獲ることを見据えなきゃいけない。自分らしい冷静かつ大胆な走りを実行できた」

 マラソンは今大会が3度目。瀬古リーダーが「私の中ではダークホースにも入っていなかった」と話したように、注目を集める存在ではなかった。だが、8月から2カ月間、米コロラドで合宿を張り、走り込んできた本人には自信があった。

 18年に入学した大東大で急成長を遂げながら、東京五輪はトラック種目で出場権争いに絡めなかった。だが、22年2月から本格的にマラソンの練習を始めると、翌月の名古屋ウィメンズで学生新記録をマーク。数々の名選手を育てた第一生命グループの山下佐知子監督は「ポテンシャルの高さはこれまで見てきた選手の中でもかなりのものがある」と評する。

 五輪2大会連続メダリストの有森裕子さんも「骨盤を回転させるローリングがうまいので、ゆったりとした動きでも伸びと推進力を生むことができる」と才能を絶賛。ただ、将来性豊かな24歳にとって、五輪切符獲得は通過点で、「ここがスタートライン。パリに向けてしっかり準備したい」と言った。鈴木のシンデレラストーリーは、まだ始まったばかりだ。

 ◇鈴木 優花(すずき・ゆうか)1999年(平11)9月14日生まれ、秋田県大仙市出身の24歳。中仙中ではバスケットボール部に所属しながら陸上の大会にも出場し大曲高から陸上に専念。大東大では全日本大学女子駅伝で1年から3年連続で区間賞を獲得。19年ユニバーシアード夏季大会のハーフマラソンで金メダルを獲得。初マラソンとなった22年の名古屋ウィメンズで日本学生記録をマーク。1メートル61。

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