【ラグビー大学選手権決勝】帝京時代だ!完勝V3 雪の国立、雷で55分間中断も史上初2度の3連覇達成

2024年01月14日 04:45

ラグビー

【ラグビー大学選手権決勝】帝京時代だ!完勝V3 雪の国立、雷で55分間中断も史上初2度の3連覇達成
<帝京大・明大>大会3連覇を達成し、喜ぶ帝京大フィフティーン(撮影・篠原 岳夫) Photo By スポニチ
 節目の第60回大会決勝は、帝京大が34―15で明大を破り、3大会連続12度目の優勝を果たした。09~17年度の9連覇と合わせ、2度の3連覇達成は史上初の快挙。試合は降雪の中で行われ、前半22分過ぎには雷の影響で55分間中断となる不測の事態に見舞われたが、フッカー江良颯主将(4年)の2トライを含む計4トライで完勝。再びの黄金期への土台を築いた。明大は創部100周年での5年ぶり大学日本一を逃した。
 雪のやんだ国立の夜空に、総勢140人の部員を束ねてきた江良が3度、舞った。55分間の中断、2度のトライ取り消し…。不測の事態、逆境の連続を乗り越えて3連覇を達成し「1年間、仲間と積み上げてきたものは間違いじゃなかった。味わったことのない幸せ」と全身を貫いた喜びを言葉で表現した。

 強いフィジカル、セットプレーを生かし、前半3分に先制トライ。同25分には決勝だけに適用されるビデオ判定で一度はトライを取り消されたものの、「焦ることなく、自信があった」とラインアウトモールから自らトライを奪った。雷雲接近による中断も「初めての経験だったが、楽しもうと」と動じず。再開後、一時は2点差まで詰め寄られたが、後半に突き放した。

 昨年3月、スローガンを「ONE HEART」に決めた。4年生はコロナ禍の20年4月入学。過去3年は感染防止の観点からA~Dチームで練習時間はバラバラ。食堂でも黙食だった。一体感を欠いたまま最終学年を迎えた時、主将に選ばれた江良は思った。「C、Dチームの支えや思いを知らないと日本一になれない。ここ一番で欠点になる」と。

 全部員が主体性を持つため、導入したのが各委員会の設置。施設管理など7部門を作り全選手に役割と責任を与えると次第に一体感は増した。「春季大会と対抗戦の優勝で(メンバー外が)喜ぶ姿が全然違った」と江良。表彰式後には全員で喜びを爆発させた。

 「後輩たちは4連覇を目指すと思うので、応援してほしい」と江良。再び黄金期の土台を築き、後輩たちにバトンを託した。


 ≪雷による中断≫ 選手、観客の安全を守る観点から、他競技と同様にラグビーも落雷や雷接近で試合が中断、または中止となる。21年3月13日のトップリーグ・サントリー―東芝戦(秩父宮)では前半12分で中断され、1時間以上たっても回復が見込まれなかったため、試合が中止に。昨年4月16日のリーグワン・BR東京―トヨタ戦(同)では中断後に再開された事例がある。冬季は雷自体が珍しく、大学選手権決勝での雷の中断は、協会関係者も「記憶にない」と話した。

 ◆帝京大の主な4年生進路 江良(東京ベイ)、奥井(トヨタ)、延原(埼玉)、高本、津村(BR東京)、尹(BL東京)、上杉(九州)、山口(大阪)、井上(広島)

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