【石浦引退相撲】鳥取城北VS伊勢ケ浜部屋の団体戦!プロとアマの威信をかけた勝負の行方は…?

2024年06月01日 21:35

相撲

【石浦引退相撲】鳥取城北VS伊勢ケ浜部屋の団体戦!プロとアマの威信をかけた勝負の行方は…?
<石浦引退相撲>鳥取城北―伊勢ケ浜部屋の団体戦。副将戦で西村和真(右)を下した天照鵬。花道には熱視線を送る宮城野親方や豊昇龍の姿も(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 昨年6月に現役を引退した元幕内・石浦の間垣親方(34)の引退相撲が1日、東京・両国国技館で行われた。
 断髪前に行われたのは、間垣親方が「ここでしか見られない」とこの日の目玉企画に挙げていた「伊勢ケ浜部屋幕下以下力士―鳥取城北高校相撲部対抗戦」。母校であり、自身の父が校長を務める鳥取城北高相撲部のレギュラー陣5人と、同校OBを中心とした伊勢ケ浜部屋幕下以下力士による5人制の団体戦が行われた。鳥取城北高は今年3月の全国高校選抜大会と5月の全国高校金沢大会で団体優勝している強豪校。めったに見られないプロアマ対抗戦の実現に、間垣親方は「隠岐の海関(君ケ浜親方)の引退相撲を見て、古典相撲は隠岐の海関にしかできないことだなと思った。自分にしかできないことは何だろう?と思って」と企画の理由を明かしていた。

 互いの威信をかけた、プロアマ問わず相撲関係者大注目の一戦。間垣親方、宮城野親方(元横綱・白鵬)の他にも、大関・豊昇龍(25=立浪部屋)や同校OBの幕内・水戸龍(30=錦戸部屋)ら多数の現役力士、親方たちも花道へ駆けつけ、勝負の行方に熱視線を送って見守った。

 先鋒戦は、小林梅太(2年)VS幕下・草野(22)。幕下最下位格付け出しデビュー場所でいきなり6勝を挙げた草野が、右四つがっぷりからじっくり攻めて土俵際で相手の左上手投げをこらえて寄り倒した。相手の小林は昨年の全国高校総体団体準優勝メンバーで、草野と同郷の熊本出身(草野は鶴城中、小林は八代四中)。学生横綱の実力を示した草野は「力が強かった。まわしの切り方もうまかった」と地元の後輩の強さも称えた。

 二陣戦は、ムンフビルグーン(3年)VS序ノ口・聖白鵬(23)。1メートル90ある長身のモンゴル出身対決は、同校OBで“白鵬2世”と称される聖白鵬が豪快な左下手投げで制した。全国高校選抜大会個人戦準優勝の実績を持つムンフビルグーンは左四つから力強く寄って攻め込んだが、一歩及ばず投げを食った。

 中堅戦は、藤村隆三郎(3年)VS三段目・真柏鵬(22)。昨年の全国高校総体団体準優勝メンバーで今年度主将の藤村が、伊勢ケ浜部屋チームで唯一アマチュア相撲未経験の真柏鵬から見事に白星を挙げた。長身の真柏鵬に対して下から攻め、相手の引きに乗じて懐に飛び込んでもろハズで前に出て押し倒し。0―2の後がない場面で高校生がプロを撃破し、館内は大きな拍手に包まれた。

 副将戦は、西村和真(2年)―幕下・天照鵬(21)。唯一の関取経験者である同校OBの天照鵬が左差し、右おっつけではさみつけて圧力をかけ、最後は左の差し手を返して万全の攻めで寄り切った。相手の西村は元中学横綱で今年5月の全国高校金沢大会を2年生ながら制しており、間垣親方が「落合(伯桜鵬)2世みたいな子」と表現するほどの逸材。5年先輩の元十両は「めちゃくちゃ緊張した」と絶対に負けられない戦いでさすがの実力を見せ、団体戦としての勝利も決める白星に「ホッとしました」と安どの表情を見せた。

 大将戦は、加藤哀翔(3年)―幕下・松井(19)。今年春場所初土俵の松井が、全国高校選抜大会個人戦3位の加藤の突っ張りを下からあてがいながら前に出て右から突き落とし。両者はつい3カ月前まで鳥取城北高で一緒に稽古しており、松井は「負けられないと思っていた。勝ててよかった」と手の内を知り尽くした後輩に力の違いを示した。

 団体戦の結果は、4―1で伊勢ケ浜部屋チームの勝ち。それぞれ先輩が貫禄を示す形となった。間垣親方は「単純におもしろかった。これからプロを目指す高校生にとって、大勢のお客さんの前で相撲を取るのは良い経験になったと思う」と大盛況に終わった対抗戦を総括した。

 ▽伊勢ケ浜部屋幕下以下力士―鳥取城北高校相撲部対抗戦
○草野(草野直哉) 寄り倒し 小林梅太 
○聖白鵬(デミデジャムツ) 下手投げ ムンフビルグーン 
 真柏鵬(石井一真) 押し倒し 藤村隆三郎○
○天照鵬(向中野真豪) 寄り切り 西村和真 
○松井(松井奏凪人) 突き落とし 加藤哀翔 

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