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ごま油の“まさかの効果”、人の記憶に影響するらしい【研究結果】

2023年08月30日 09:00

ごま油の“まさかの効果”、人の記憶に影響するらしい【研究結果】
竹本油脂株式会社と株式会社NTTデータ経営研究は、ごま油の香りの効果を検証する国内初の実験を実施しました。意外すぎる結果が発表されたので、MELOS読者のみなさまにもシェアします! 結果① ごま油の香りによって食欲・空腹 […]

竹本油脂株式会社と株式会社NTTデータ経営研究は、ごま油の香りの効果を検証する国内初の実験を実施しました。意外すぎる結果が発表されたので、MELOS読者のみなさまにもシェアします!

結果① ごま油の香りによって食欲・空腹感が増進する

香り拡散前後の空腹感の変化量を比較したところ、ごま油群において空腹感が最も増大しており、ごま油の食欲増進効果を支持する可能性を示す結果が得られました。この結果は、ごま油の香りが参加者の食欲(空腹感)を増進することを示しています。

食欲は、人間の食事行動を促進する根本的な欲求の一つであり、人間が生きていくうえで必要不可欠な要素です。

近年、

  • 空腹感が戦略的意思決定のクオリティ向上に寄与すること(注1)
  • 食欲を誘発することで創造性が向上すること

を示唆する研究も報告されており(注2)、食欲が単なる‟食事を促す欲求”以上のポジティブな価値をもたらす可能性が示されています。

これらの事象の背景にあるメカニズムは未だ不明点が多いものの、空腹時における食欲誘発によって脳全体の代謝が活性化されることが知られていることから(注3)、同様のメカニズムが関与していると考えられます。脳科学的なメカニズムが今後明らかになることで、食欲・空腹感の増進がもたらすポジティブな効果に関する理解が深まることが期待されます。

▼香り発生前後の空腹感の平均変化量

注1  [de Ridder, D., Kroese, F., Adriaanse, M., & Evers, C. (2014). Always Gamble on an Empty Stomach: Hunger Is Associated with Advantageous Decision Making. PLoS ONE, 9(10), Article e111081.]
注2  [Ruan, Z., & Liu, N. (2020). Create in the Snack Mountain:appetite stimulus improves creativity. Current Psychology.]
注3  [Wang, G.-J., Volkow, N. D., Telang, F., Jayne, M., Ma, J., Rao, M., Zhu, W., Wong, C. T., Pappas, N. R., Geliebter, A., & Fowler, J. S. (2004). Exposure to appetitive food stimuli markedly activates the human brain. NeuroImage, 21(4), 1790–1797.]

結果② ごま油の香りが発生中、その間に生じた事象の記憶の定着が促される 

香りが漂う空間で他者と一緒に食事を行った後、食事中に他者が話した内容を思い出す“想起実験”の結果を比較したところ、ごま油群において想起される情報の数(=記憶した数)が最も多く、「ごま油の香り発生中、その間に生じた事象の記憶の定着が促される」という仮説を支持する結果が得られました。この結果は、ごま油の香りが食事中の参加者の発話内容の記憶定着を促した可能性を示しています。

この結果をもたらした要素の一つとして、「グレリン」と呼ばれるホルモンの影響が考えられます。グレリンは空腹時に主に胃から放出され、人間の食欲制御を担う重要なホルモンです。人間は食品を摂取した際に、匂いや見た目などの “手がかり”を関連付けて記憶・学習することが知られており、グレリンは記憶を司る脳部位の一つである海馬に作用することで、この記憶・学習のプロセスに大きく関与していると考えられています(注4)。

これらの報告を踏まえると、高カロリーを有する油脂類の中でも食欲を増進する香りを有するごま油は、人間の記憶形成により強く影響を及ぼすと考えられます。

▼食事後の早期実験における記憶の平均想起数

注4 [Hsu, T. M., Suarez, A. N., & Kanoski, S. E. (2016). Ghrelin: A link between memory and ingestive behavior. Physiology & Behavior, 162, 10–17.]

実験について

対象

20~59歳の男女45名

実験の流れ

実験の様子

▲調理に使用した食材及び器具。調理方法は事前実験の結果を踏まえ、油の香りが空間中に効果的に漂う条件(油の温度、香りの拡散に要する時間等)を採用し、全条件で同様の方法で調理した。

※詳細についてはこちらをご覧ください。

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<Edit:編集部/調査結果引用:竹本油脂株式会社・株式会社NTTデータ経営研究所>

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