巨人・菅野 「特別な感情」胸に今季初登板初勝利 右肘故障で3カ月遅れの“開幕戦”

2023年06月12日 05:30

野球

巨人・菅野 「特別な感情」胸に今季初登板初勝利 右肘故障で3カ月遅れの“開幕戦”
<ソ・巨>ファンにあいさつする菅野(撮影・中村 達也) Photo By スポニチ
 【交流戦   巨人4―2ソフトバンク ( 2023年6月11日    ペイペイD )】 右肘の張りで開幕から2軍調整が続いていた巨人・菅野智之投手(33)が11日、ソフトバンク戦で今季初先発。5回、93球を投げ4安打2失点で今季初勝利を挙げた。エースが帰還したチームは、ソフトバンク相手に5年ぶりのカード勝ち越しを決め、DeNAと並んで交流戦首位をキープ。16日ぶりに貯金1とした。
 ホームベースに背を向け、視線を高く上げた。初回。投球練習を終えた菅野は、ペイペイドームの天井をじっと見つめた。「本当にどうやってマウンドに上がったのか分からないぐらい集中していた。特別な感情だったと思う」。3カ月遅れの自身の開幕戦だった。

 3回までに3四球。4回は死球と2安打で2点を先制された。本来の制球力は発揮できなかったが、勝つための投球は覚えている。直後の5回に3―2と逆転してもらうと、5回は3番・近藤からのクリーンアップを相手に、この日初めて3者凡退。「何とか先頭を全力でいった結果」と4四死球4安打でも5回2失点でまとめた。6回以降無失点の6人継投にも助けられた今季初白星。「これまでもたくさん勝たせてもらったけど、生涯忘れることのできない一勝になったと思う」。特別な通算118勝目。降板後はベンチで声を出し続け、感謝の声は枯れていた。

 3月18日のオープン戦・日本ハム戦に先発も、右肘の張りで初回で緊急降板。9度目になるはずだった開幕投手を回避し、2軍調整が続いた。投げられる日とそうでない日があるなど一進一退の時期もあり「ちょっと心が折れていた」。それでも「(ケガの期間は)得るものもたくさんあるけど、美談にしてはいけない」と懸命に復帰を目指した。ドラフト1位の浅野には「違うことをして忘れるということをしないように。野球から逃げずに、野球でやり返せるように向き合うこと」と不調時の心構えを助言。逃げずに自身と向き合い、1軍のマウンドに帰ってきた。

 福岡は5月31日に死去した祖母・カツヨさんの故郷でもある。「そういうのを感じて投げた」という福岡での復活白星。「交流戦優勝して、いい形で後半戦に臨めるように自分が先頭を切って頑張っていきたい。ボロボロになるまでしっかり腕を振り続けます」。出遅れを取り返す時間は、まだ、たくさん残っている。(小野寺 大)

 ▼巨人・原監督 (菅野は)勝ちが付いたというところが良かった。まだできるでしょう。

 ≪自身最も遅いチーム59戦目で初勝利≫菅野(巨)が今季初登板で初勝利。6月11日およびチーム59試合目でのシーズン1勝は21年の4月16日(6月開幕の20年は除く)と同年のチーム19試合目を抜く最も遅い記録になった。また、交流戦12勝目になるが、対戦別の内訳を見ると、球団/勝利 ソ4ロ2日2楽2西1オ1 計12とソフトバンクから最多の4勝を挙げている。

 【菅野の経過】
 ▼3.18 オープン戦、日本ハム戦に先発も右肘の張りを訴え1回21球で降板。

 ▼4.14 ブルペンで投球練習。

 ▼5.25 シート打撃に登板し打者3人に15球。最速149キロ。「全球種投げた。出力に関してはかなり戻ってきている」

 ▼5.28 イースタン・リーグ、ヤクルト戦に先発。3回3安打無失点。球数は38球。最速は150キロ計測も「まだまだ1軍レベルではない。危機感を持ってやっている」

 ▼6.4 イースタン・リーグ、日本ハム戦に先発し5回1/3を3安打1失点。球数は79球。「呼ばれたらしっかり投げる準備をしている」

 ▼6.9 ペイペイドームで1軍練習に合流。

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