広島・羽月が朗希撃ち 持ち前の「速球への対応強化」実った 今季初安打が“価値ある”2点適時打

2023年06月12日 05:02

野球

広島・羽月が朗希撃ち 持ち前の「速球への対応強化」実った 今季初安打が“価値ある”2点適時打
<交流戦 ロ・広>5回、羽月は2点適時打を放つ(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【交流戦   広島5-6ロッテ ( 2023年6月11日    ZOZOマリン )】 広島・羽月隆太郎内野手(23)が11日のロッテ戦に「9番・二塁」で1日のオリックス戦(京セラドーム)以来今季2度目の先発出場を果たした。0―4で迎えた5回2死満塁の打席では佐々木朗の160キロ超えの直球を再三ファウルで粘った末、左前2点打。開幕から9打席目で待望の今季初安打だ。疲労を考慮しベンチスタートとなった菊池に代わって先発起用された高卒5年目の若ゴイが存在感を発揮した。
 羽月は剛速球に必死に食らいついた。4点を追う5回2死満塁で迎えた第2打席。佐々木朗に3球で追い込まれると、短く持っていたバットをさらに短く持った。ここからが我慢比べだった。

 「空振りだけはしないようにイメージしながらいった。みんながつないでくれたので、自分もつなぐ気持ちでいった。何とか食らいついていくことができて良かった」

 4球目の165キロ、5球目の164キロ、6球目の162キロをファウル。1ボールを挟み8球目の145キロのフォークもファウルで粘ると、最後は9球目の163キロを左前へ運んだ。本拠地で開幕から29イニング無失点投球を続けていた佐々木朗から反撃の口火を切る2点打。今季9打席目にして、待望の初安打を放って拳を突き上げた。

 「(佐々木朗は)日本を代表する投手。そんな簡単には打てないと分かっていた。だからこそ追い込まれてから、何とか頑張ろうと思った」。この日は疲労を考慮されベンチスタートとなった菊池に代わって先発出場。期待に応える働きに新井監督も「よく打ちましたね。ナイスバッティング」と称えた。

 かねて指揮官から「速球に強い打者」と評されていた羽月だが、今季初先発だった1日のオリックス戦では悔しい思いを味わった。最速159キロ右腕・山下の前に2打数無安打、1三振。起用に応えられず、「今のままだと、スタート(先発)からは厳しいと思う」と自ら戒めた。

 そして、速球への対応強化に着手した。(1)バットを構えた位置から動かさずに無駄な動きをなくす。(2)速球に対して、始動を早くするのではなく、ポイントを後ろに置いて、ギリギリまで球を見る。この2つのポイントを大切にし、練習を重ねてきた。

 その成果が5回の打席で表れた。「(安打は)うれしいですけど、負けたので、そこはまた次の試合に向けてやっていくしかない」。主に代走や守備固めでの起用が続く23歳が少ないチャンスで、特長を生かした。この粘り強い打撃スタイルを強みに、ここからアピールを重ねていく。(長谷川 凡記)

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