配置転換待った!阪神・湯浅も胸アツの守護神起用 17年前を思い出す岡田采配と“その人”からの助言

2023年06月12日 07:00

野球

配置転換待った!阪神・湯浅も胸アツの守護神起用 17年前を思い出す岡田采配と“その人”からの助言
交流戦<日・神>9回、勝利に喜ぶ梅野と湯浅(撮影・高橋 茂夫) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神1-0日本ハム ( 2023年6月11日    エスコンF )】 阪神は11日、日本ハム戦に1―0で今季9度目の零封勝利を飾り、連敗を3で止めた。1点リードの9回は湯浅京己投手(23)が3試合ぶりに登板。2死一、三塁のピンチを背負いながらも無失点でしのぎ、今季8セーブ目を挙げた。8日の楽天戦で自身初のサヨナラ弾を浴びた後、岡田彰布監督(65)は5年目右腕の配置転換を示唆しながらも再び抑えとして起用。復調を願う指揮官の起用に、熱き守護神が応えてみせた。
 「ピッチャー・湯浅」の場内コールに、敵地を埋め尽くした虎党から大歓声が上がった。点差はわずか1点の9回。2死から四球と安打で一打同点の危機を招きながらも最後は奈良間を投ゴロに仕留めた。守護神の役目を果たした湯浅が岡田監督の起用に応えた。

 「いやいや、もうな。(楽天戦から)2日空いたし、投げささんとしょうがないやん。はっきり言うて」

 8日の楽天戦では5年目にして自身初のサヨナラ被弾。3日のロッテ戦でも3失点で救援失敗するなど、状態が上がらない。指揮官は「今はしんどいやろ」と配置転換を示唆していた。チームはサヨナラ負けから今季最長の3連敗。前日10日には先発・大竹を続投させたことが裏目となり惜敗を喫した。「後ろ3枚がビシっといけるんやったら、そら(継投)。まだそこまで確立されへんやんか」。楽天戦以来のセーブシチュエーションとなったこの日、再び背番号65を送り出した。改めて優勝へ向けた必要な絶対戦力として位置づけ、今後の戦いも見据えた用兵だ。

 「9連戦で最後やし。そんなんもう、(8回の岩崎と)2人に任すしかないやん」

 17年前を想起させる采配だった。第一次政権の06年6月13日楽天戦で当時守護神の久保田が打たれサヨナラ負け。翌14日は代役として藤川を抑え起用も、16日のオリックス戦で再び久保田をセーブ機会で起用した。翌07年にシーズン90試合登板のプロ野球記録を樹立するなど久保田は球界を代表する投手に成長。今回の湯浅起用は、さらなる飛躍と完全復調を願った指揮官からの無言のメッセージだったと言える。

 くしくも湯浅はサヨナラ被弾した楽天戦後、久保田投手コーチから食事に誘われ、現役時代の経験も含めたアドバイスに耳を傾けていた。「ここ最近2回やられている中で、また(9回に)行かせてもらえることに本当に感謝しながら(登板した)」。まだ本調子でなくとも、一つ失敗を取り返した事実が何よりも大きい。「ゼロで帰って来られたのは、何かのきっかけになる。状態上げていけるように、またここから一試合一試合ゼロで帰ってこられるように」。価値ある8セーブ目を手にした若きストッパーが再浮上へ向けた確かな一歩を踏み出した。 (阪井 日向)

 ▽06年の守護神・久保田 06年6月13日の楽天戦(フルキャスト宮城)同点の延長10回、守護神の久保田が4連打を浴びてサヨナラ負け。翌14日の同戦3―1の延長10回、岡田監督は藤川を投入。配置転換を思わせる起用に、1安打無失点でシーズン初セーブの藤川は試合後「きょうはクボ(久保田)の代行です」とコメント。岡田監督も予定どおりと強調。翌15日に久保田と面談してこれを否定した。16日オリックス戦(スカイマーク)3点差の9回、2試合ぶりに迎えたセーブ機会で起用された久保田は、打者3人で抑えて守護神健在を証明した。

 ▽湯浅の守護神問題 8日の楽天戦(楽天モバイル)逆転の4―3で迎えた9回に登板。連続四球の走者を背負った2死一、二塁から小深田の3ラン被弾で逆転サヨナラ負け。試合後岡田監督は、5月26日の復帰以降、精彩を欠く湯浅を「今はしんどいやろ」と配置転換も示唆。10日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では今季最長8イニング目突入の大竹が勝ち越しを許してチームは初の3連敗。岡田監督は「万全で湯浅までいけるんやったらいくけど、そこまで(継投パターンが)確立されてへん」と、盤石でない救援事情に苦悩をにじませていた。

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