ソフトB・東浜 退任の亜大・生田監督に“恩返し星” 「特別な場所」神宮で粘投

2023年06月15日 05:00

野球

ソフトB・東浜 退任の亜大・生田監督に“恩返し星” 「特別な場所」神宮で粘投
<ヤ・ソ>最後を締めたオスナ(右)を出迎える東浜(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【交流戦   ソフトバンク3―2ヤクルト ( 2023年6月14日    神宮 )】 ソフトバンクは東浜巨投手(32)が9安打を浴びながらも5回2失点でチームトップタイ5勝目を飾った。恩師である亜大・生田勉監督(56)の退任が発表された日、東都通算35勝した思い出の神宮球場で白星を挙げる最高の恩返し。栗原陵矢外野手(26)が0―0の2回1死一塁、右翼席へ放った5試合ぶりの8号2ランが決勝点となった。チームは連勝でヤクルトに勝ち越し、リーグは2位に浮上した。
 降板後の東浜のコメントはまるで敗戦投手のようだった。「5回で降板してしまい、中継ぎの方に迷惑をかけてしまった。申し訳ないです」。5回、9安打を浴びながらも2失点に抑えて5勝目。苦しみながらも耐え抜いて白星をつかんだ。

 3者凡退に抑えた3回を除き、ピンチが相次いだ。「ボールをコントロールすることができなかった」。3―1の4回1死二、三塁のピンチでは左翼・近藤が高橋の放ったライナーを前進してダイビングキャッチする美技に助けられた。続く山田をカットボールで空振り三振に抑えると珍しく感情を表に出してガッツポーズした。

 5回はサンタナに適時打を浴びて3―2と1点差に迫られ、なお2死一、二塁でこの日、2安打のオスナを迎えた。107球目の直球で二ゴロに抑えてピンチ脱出。「ボール先行が多かったけど、ホームランだけには気をつけてゾーンの中の低めで勝負しようということだけ考えた。あとは(配球が)偏らないようにした」。綱渡りの投球だったが、それは右腕の真骨頂だ。

 神宮は亜大時代に東都六大学リーグで通算35勝を挙げた思い出の球場。「この球場に育ててもらった。特別な場所。内容は良くなかったけどチームが勝って何より」。亜大時代に磨きをかけ、後輩たちにも伝えた“亜細亜ボール”と呼ばれるシンカーで4番の村上から2三振を奪った。

 この日は大学時代の恩師、生田監督の退任が発表された。「東浜を代表して怒れば、チームが締まる」と誰よりも怒鳴られた。4年時の全日本大学野球選手権決勝で早大に敗れた大会後は「今のままでは上のレベルでは通用しない」とあえて厳しい言葉をかけられるなど、野球の技術やトレーニングよりも心の強さを説かれた恩師の教えが生きている。

 藤本監督は「もっと勝負できるんじゃないかと思うし、次回登板にそこは期待したいと思う」と苦言。大関、藤井が離脱中の先発陣を引っ張る存在と期待するからこその辛口だった。東浜は「粘りというか助けられたところも多々あった。でも、今日は僕の悪いところが出た」と反省。次回へ視線を向けた。(森 寛一)

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