西武2年目古賀「勝てる捕手」へ 投手との対話で磨く強気のリード

2023年06月15日 08:00

野球

西武2年目古賀「勝てる捕手」へ 投手との対話で磨く強気のリード
西武・古賀 Photo By スポニチ
 一日、一日が財産となり、糧となる。充実のプロ2年目を過ごしているのが西武の古賀悠斗捕手(23)。今季は14日時点で32試合に先発マスクを被っている。まだまだ経験は浅いが、勝てる捕手に必要な「捕手脳」を磨くため、投手との対話に時間を割いている。
 23歳の一日はとにかく忙しい。試合前練習はフリー打撃を終えると、すぐに捕手練習。防具を着けてブロッキングにスローイング。練習を終えれば、バッテリーミーティング、先発投手との打ち合わせ。先発時は食事する時間も限られてる。試合中は中継ぎ陣の調子を再確認するため、ブルペンとベンチを何往復もする。家に帰れば、自身の配球と打者の反応を全球確認。「捕手としては当たり前ですよ」と言うが、裏での準備に余念はない。

 「投手陣とは試合が終わってロッカーで話すことが多い。試合に出ている時はほとんど話せないので。投げる前はなるべくブルペンに行くようにして、変化球の感覚などを聞きます。打順がきて行けないこともある。それでも、少しでも時間があればブルペンに向かいます」

 忘れられない試合がある。5月10日、本拠地でのロッテ戦。場面は1―2の6回1死満塁。打者を空振り三振に斬ったが、森脇のフォークを後逸(記録は暴投)。結果的にチームは1点差で敗れた。「それが決勝点で負けた。あれは自分の後逸。止めないといけなかった。あの悔しさがあるので、ストップは絶対と思ってやってます」。まだ2年目だから。経験が少ないから仕方ない。そんな言葉はいらない。周囲からの厳しい声も聞こえてる。雑音は裏を返せば期待の証。扇の要として勝敗の責任を背負ってダイヤモンドを見渡してる。

 リードに強いこだわりを持つ古賀。今季は高橋とバッテリーを組む中で発見が多いという。150キロ超の直球にカットボール、スライダー、フォークなど精度の高いボールが多いことで選択肢は豊富。相手も研究を重ねて来る中で「ここでこうしたらいいなと思う時がある。サインを出した時に、光成さんのイメージとは違っても“投げてみよう”ってニヤっとしてうなずいてくれることがある」。もちろんエースの考えを尊重しながらも、ここぞで配球を譲らない強さが売り。「光成さんと組む時は学ぶことが多いけど、全部が全部、引っ張られていてはいけない」と自分の色を必死に表現している。

 投手が打たれても怒られるのが捕手の宿命。名捕手だった故野村克也氏は言った。「捕手の“捕”は捕るだけでなく、投手の足りないところを補う“補”」だと。古賀が投手陣に駆け寄る一分、一秒が明るい未来を作り上げていく。(記者コラム・福井 亮太)

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