阪神・西勇 全12球団制覇も重圧吐露「勝たないとあかんいう気持ちが強すぎるのはしんどい」

2023年06月15日 05:15

野球

阪神・西勇 全12球団制覇も重圧吐露「勝たないとあかんいう気持ちが強すぎるのはしんどい」
<神・オ>勝利し笑顔でタッチを交わす西勇(中央) (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神8―3オリックス ( 2023年6月14日    甲子園 )】 プロ15年目、試合前時点で通算113勝を誇っていた阪神・西勇でさえ、この日ばかりは重圧がのしかかっていた。それでも経験と投球術でゲームメークに徹して6回5安打2失点。古巣のオリックスからプロ野球史上20人目となる、全球団勝利を挙げた。
 「勝たないとあかんいう気持ちが強すぎるのはしんどいなというのは今日で分かった」

 過去2度、古巣との対戦で勝利はなく、独特の緊張感を感じながらマウンドに上がっていた。だが、前半の2イニングは気持ちが裏目に出た。初回は2死三塁から4番・森に中前適時打を浴びて先制点を献上。3点リードの2回は1死一、三塁から1番・広岡の二ゴロの間に1点を返された。序盤は球が高めに浮き、制球も乱れた。

 「低めの出し入れがうまくいった」

 ただ、3回以降は縦から横のストライクゾーンを目いっぱい使った投球を展開した。3、4回は3者凡退に片付け、5点リードの5回は2死一、二塁から森を最後は外角低めのチェンジアップで一ゴロ。徐々に緩急を駆使した“らしさ”を取り戻した。

 32歳右腕は今季チーム最年長となった。試合前練習には一番にグラウンドに姿を見せて、淡々とメニューを消化するとさっさと引き揚げる。ただ練習の中身は濃い。例えば、登板4日前に行う右翼から左翼ポール間を走るメニューでは一定の心拍数、130~140を維持する。これはマウンド上での投球時の心拍数と同じ数字。本人は「プロとして当たり前のことをやっている」と話すが、誰よりも意図を持ち、常に試合を想定した練習を反復する。単純な練習をおろそかにしない。15年目でも、ローテーションを守っている一つの要因と言える。

 「次の試合に向けていい経験ができた。この経験を糧にしてやっていきたい」。4勝目を手にしても油断はない。チームのために今後も腕を振り続ける。(石崎 祥平)

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