松坂大輔氏 甲子園新導入クーリングタイムの使い方が大切 自身の経験から語る暑さ対策とは

2023年08月08日 05:30

野球

松坂大輔氏 甲子園新導入クーリングタイムの使い方が大切 自身の経験から語る暑さ対策とは
観戦する松坂大輔氏(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会 1回戦 ( 2023年8月7日    甲子園 )】 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】西武、レッドソックスなどで活躍した松坂大輔氏(42=スポニチ本紙評論家)が7日、甲子園球場を訪問。第105回全国高校野球選手権大会をネット裏から取材した。横浜時代にエースとして春夏連覇を達成した98年当時の夏も記録的な猛暑。その25年前を超える酷暑の中でプレーする球児たちへ、クーリングタイムの使い方や、暑さ対策などについて自身の経験を踏まえてクールなエールを送った。
 夏の甲子園は年々暑くなっていますね。25年前と比べても、今の方が暑い。日程に余裕を持たせていますが、プレーする選手たちには厳しくなっています。

 その暑さ対策の一つとして今年から導入された10分間のクーリングタイム。選手や審判の方たちにはありがたいし、必要なことだと思いますが、難しさもあります。開幕日にはこのクーリングタイム後に体調に異変が生じた選手が何人かいました。暑いグラウンドから涼しい部屋に入って水分補給。体温を下げるのは必要ですが、同時に筋肉がこわばってしまう。時間いっぱい使って、急にグラウンドに戻るのはやめた方がいいです。早めに部屋から出て、体を慣らす必要があります。この10分間を、どう過ごすかが大切です。

 自分たちはイニングごとにベンチで冷たいタオルで頭や首筋を冷やしていました。それだけでなく、グラウンド外でも気を配りました。大阪・住之江のホテルでは部屋のドアを開けたままにして、冷房を付けっ放しにしていないか、暑すぎていないか、マネジャーが一部屋ごと確認していました。甲子園では普段と違う生活なので、より気を付けました。

 暑さで注意してほしいのが、判断力が鈍ることです。大会2日間で何度かアウトカウントを間違える場面がありました。暑いと頭がボーッとして、どうしても判断ミスが出てしまう。こういうときこそ、みんなで声を掛け合ってほしい。周囲で気を配ることでミスを防げます。98年の夏は3回戦から決勝まで4日間連戦。星稜(石川)との3回戦のときが一番暑く、完封した試合後に「ベンチに座っていいですか」と言って、初めて座って取材を受けたのを覚えています。練習のときもアイシング用の氷を水分補給のつもりでなめていたら渡辺元智監督に怒られました。アイシング用ですからおなかを壊すということですが、あの夏はそれくらい暑く、試合でも普段できているプレーができない場面がありました。

 一つのプレーが試合の流れを変えます。みんなで支え合い、クーリングタイムをうまく活用して、誰もが元気にプレーを続けることを願っています。(本紙評論家)

 ≪20世紀最大規模≫松坂氏が春夏連覇を達成した98年夏の甲子園大会は、エルニーニョ現象により、連日30度を超える猛暑に見舞われた。太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年よりも高くなり、その状態が1年ほど続く現象。97年から98年にかけて海面水温が急上昇し、当時は20世紀最大規模のエルニーニョと言われた。

 ▽4連投VTR 8月19日の3回戦・星稜戦は148球を投げ、9回4安打で完封。同20日の準々決勝・PL学園戦は延長17回の死闘となったが、250球を投げ抜き完投した。同21日の準決勝・明徳義塾戦は左翼としてスタメン出場。2点を追う9回に救援として15球で1回を無失点に封じ、その裏の逆転サヨナラ勝ちを呼んだ。同22日の京都成章戦は決勝戦では59年ぶりとなるノーヒットノーラン。122球で偉業を達成し、4日間で535球を投じた。

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