オリオールズ・藤浪 日本投手最速165キロ 本拠沸かせた!1イニングわずか9球

2023年08月08日 02:30

野球

オリオールズ・藤浪 日本投手最速165キロ 本拠沸かせた!1イニングわずか9球
オリオールズ・藤浪晋太郎(AP) Photo By AP
 【インターリーグ   オリオールズ2―0メッツ ( 2023年8月6日    オリオールパーク )】 剛速球で空間を支配した!オリオールズ・藤浪晋太郎投手(29)が6日(日本時間7日)、メッツ戦で2―0の8回に登板。自身のメジャー日本投手最速を更新する102・6マイル(約165・1キロ)を投じるなど1イニングをわずか9球、2奪三振で無失点に抑えた。チームは4連勝でリーグ一番乗りで70勝に到達。30球団で“最弱”だったアスレチックスから移籍し、現在は日本選手で最もポストシーズン進出に近い存在だ。
 マウンドからホームまで、18・44メートルの空間を切り裂いた。8回1死。藤浪の長い、ムチのような右腕から放たれた剛球に4番スチュワートのバットが空を切る。102・6マイル(約165・1キロ)。中継映像では103マイル(約165・7キロ)と表示された衝撃の1球で3球三振。2万7100人で埋まった本拠オリオールパークのスタンドは、どよめきと歓声が交錯した。

 試合後、藤浪は地元メディアの取材に「2点リードの状況はあまり考えず、自分の“呼吸”に集中した」と胸を張った。データ解析システム「スタットキャスト」の15年の導入以降では、自身が6月と7月に1度ずつ記録した102・1マイル(約164・3キロ)を更新するメジャー日本投手最速の1球。19年本塁打王の先頭アロンソはカットボールで3球三振。2死でナルバエスも2球で追い込んだ。最後は102・3マイル(約164・6キロ)の直球で遊飛。日本投手初の3者連続3球三振の「イマキュレートイニング」こそ逃したが圧巻の9球を投じ、右拳を何度も握りしめた。

 2日のブルージェイズ戦では2者連続で押し出し死球を与えるなど大乱調。またか…。弱気の虫が顔を出しそうになった時、クリス・ホルト投手コーチから助言を受けた。「深呼吸をして落ち着くこと。そして、ゾーンを攻めること」――。「今日はその2つに集中した」と藤浪。ブランドン・ハイド監督は「不安があったはずだが再びマウンドに上がることを望んだ彼を誇りに思う」と称賛した。

 トレード加入後初ホールド。アスレチックスに所属していた開幕当初の乱調もあり防御率は7・76だが移籍後は同3・12だ。エンゼルス・大谷も日本時代に165キロを記録したが、メジャーでの最速は101・4マイル(約163・2キロ)。オ軍OBでサイ・ヤング賞に3度輝き、通算268勝の殿堂入り右腕ジム・パーマー氏(77)は試合中継で「この投球を瓶詰めにできればクーパーズタウン(野球殿堂)に行ける」と称賛し、球団公式「X(旧ツイッター)」も奪三振の映像とともに「Mt.Fuji」と日本最高峰の富士山になぞらえて伝えた。

 大阪桐蔭時代は花巻東の大谷とともに注目を集め、12年は甲子園春夏連覇。当時最速は153キロだった。阪神時代は制球難に苦しむなど、紆余(うよ)曲折を経た野球人生。「Fuji」が異国で輝きを増している。

 ≪08年以降に三振を奪った球速では球団3番目≫藤浪が8回1死で102.6マイルの直球で奪三振。08年以降、三振を奪った球速では球団3番目の速さ。1位は守護神バティスタが6月に記録した103.3マイル(約166.2キロ)。この日は9球中6球が100マイル超。今季100マイル超が計92球で102マイル超は7球ある。

 藤浪の月別防御率は3・4月の13.00から5月10.50→6月3.97→7月3.14→8月0.00と良化。ストライク率は月ごとにアップし、逆に与四球率は減少。

おすすめテーマ

2023年08月08日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム