【スポニチスカウト部(27)】古川学園・今野一成 伸びしろ十分、最速153キロ剛腕

2023年08月08日 05:00

野球

【スポニチスカウト部(27)】古川学園・今野一成 伸びしろ十分、最速153キロ剛腕
今夏の宮城大会で力投した今野(撮影・村井 樹) Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第27回は古川学園(宮城)の最速153キロ右腕・今野一成投手(3年)。最後の夏に自身初の甲子園出場は果たすことができなかったが、もう一つの夢であるプロ入りを狙う。 【ドラフト速報
 高校野球界にまた一人、150キロの大台を破った剛腕が現れた。今野は今春の県大会で153キロをマーク。今夏の宮城大会は準々決勝で敗退したが、次のステージでの活躍に向けてトレーニングに励む日々を送っている。

 「西武の平良投手に憧れています。同じような身長、体形だと思いますし、パワーで押せるピッチャーになりたい」

 厚い胸板、競輪選手のようにたくましい下半身が快速球の源だ。カットボールとスプリットにも自信を持つ。今夏の宮城大会2回戦では日本ウェルネス宮城の大型右腕・大内誠弥(3年)を視察するためにスカウト陣が集結。夢のプロ入りに向け、これ以上ないチャンスで先発した今野は「“俺もいるぞ”と思ってもらうため、野球人生を変えるつもりで投げた」と3安打完封勝利。視察した西武・渡辺久信GMは「馬力もあり投げっぷりもいい」と評価するなど最後の夏に確かな足跡を残した。

 2年夏前には右肘を故障し約3カ月間、登板できない日々が続いた。それでも「そこからトレーニングも食事も考えるようになった」と体づくりに比重を置き、急激な球速アップにつなげた。故障も完治した現在でも筋力トレーニングに力を入れ、ベンチプレスは95キロ、スクワットは175キロを持ち上げる。

 本人が西武・平良を目標に挙げるように、プロではパワーピッチを売りにしたスタイルで、まずは救援投手としての活躍を目指したい。1メートル70と投手としては小柄なため直球の質の向上、平均球速のアップはプロで活躍するためには必須。故障を急成長の転機とするなど野球への姿勢も評価が高く、上のステージでも成長が見込める。進路については「夏次第です」と語っていた。その決断に注目が集まる。

 ☆球歴 増田西小3年から増田西ロイヤルズで野球を始める。名取二中では南仙台ボーイズに所属。古川学園では1年春からベンチ入り。甲子園出場経験はなし。憧れの選手は西武・平良。

 《仙台育英バッテリーは戦友》
 昨夏の甲子園で東北勢初の甲子園大会優勝を果たした仙台育英の右腕・高橋煌稀(3年)、正捕手・尾形樹人(3年)は南仙台ボーイズでプレーした中学時代、今野のチームメートだった。今夏の甲子園でも軸として期待されるバッテリーの2人。今野は「中学の時からインコースの使い方がうまくて、今の自分の投球スタイルの参考になっている」と語る。プロ志望届提出の可能性がある今野とは異なり、高橋、尾形の2人は進学予定となっている。

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