日本ハム・新庄監督　笑撃甲子園！阪神縦じまユニで登場「怒られる前提」罰金覚悟の交流戦快幕

2024年05月30日 06:00

野球

日本ハム・新庄監督　笑撃甲子園！阪神縦じまユニで登場「怒られる前提」罰金覚悟の交流戦快幕 — ＜神・日＞阪神のユニホーム姿で登場した新庄監督（撮影・岸　良祐） Photo By スポニチ

【交流戦日本ハム8―2阪神（ 2024年5月29日甲子園）】日本ハムの新庄剛志監督（52）が29日、予告通りの超サプライズで満員の甲子園を沸かせた。古巣・阪神戦のメンバー表交換時に、阪神のユニホームを着て登場。岡田彰布監督（66）と握手を交わすと、スタンドは大歓声に包まれた。試合は1番に抜てきした水谷瞬外野手（23）が初の3安打を放つなど8―2で完勝し、3連敗した22年の雪辱を果たす聖地初勝利。首位・ソフトバンクに4ゲーム差に迫った。

　試合前なのに甲子園が沸いた。驚きと笑いが交錯する中、メンバー表交換に出てきた新庄監督が得意げに両手を上げた。身に着けていたのは日本ハムではなく、何と古巣・阪神の縦じまのユニホーム。赤いリストバントを身に着け、背中には入団当時の背番号63と漢字で「新庄監督」の文字が記されていた。

　「柔道で言う有効技あり。あと1回やったら退場と、NPBの方から警告が来た。退場は嫌やな～」

　前日は降雨中止となり、仕切り直しの交流戦初戦。現役時代ともにプレーした敵将・岡田監督も仰天のサプライズは、1カ月前から計画していた。新庄監督が「ファンにプレゼントしたい」という理由で、メーカーへユニホーム作成を依頼。寸法を測り63番と5番の2着を用意した。「5番も持っているけど警告を受けたから、着ずに近本君に渡そうかな」と、笑い飛ばした。

　野球協約では違反となる。それでも、90年の入団から11年間在籍した古巣への恩返しがしたかった。「怒られる前提で罰金を用意していたんで。スタンドの阪神ファンのみんなが、デビュー時の63番を思い出してくれたら怒られてもいい」。その一方で「審判の方には“さすがやね”と褒められました」と胸を張った。

　メンバー表交換後は岡田監督や審判団と記念撮影。その後は外野に2度、深々と礼をして4万2608人の観衆の声援に応えた。日本ハムでの現役最終年だった06年5月18日の甲子園での一戦でも、仰天パフォーマンスを敢行。試合前のシートノックで、レギュラーをつかんだ後の背番号5に「SHINJYO」と書かれた縦じまのユニホームを着用＝写真。虎党を大いに喜ばせた18年前に、タイムスリップしたかのような「新庄劇場」だった。

　日本ハムのユニホームに着替えると、用兵も的中した。「BIGBOSS」のユニホームを着用して3連敗を喫した22年以来、2年ぶりの甲子園。1番に抜てきした水谷が初の3安打で2打点を挙げると、5回には今季初めて2番で起用した万波が通算50号となる左越え6号2ランを放った。「強いな。ファイターズ変わったなあと思ってくれたと思う」と新庄監督。狙い通り、見る者全てのハートをわしづかみにした。（清藤　駿太）

　≪野球協約アウト≫「野球協約」の第167条（ユニホームの標識）には「試合に着用するユニホームには、統制された背番号を用い、胸章及び腕章は、コミッショナーにより承認されたもの以外の文字又は標識を用いてはならない。」と記載されている。今回の新庄監督の演出は試合開始直前で自軍のユニホームを着用すべき時間帯だったが、NPBに正式な連絡はなくサプライズで行われた。

　▽新庄監督の阪神時代　西日本短大付から89年ドラフト5位で入団。3年目の92年に亀山努とともにブレークし、「亀新フィーバー」を起こした。95年オフには「センスがない」と突然引退宣言したが、すぐに撤回。97年は不振にもかかわらず、ファン投票外野手部門2位で球宴出場を果たした。99年は野村監督の発案で、オープン戦まで二刀流に挑戦＝写真＜1＞。6月12日の巨人戦（甲子園）では槙原の敬遠球を打ち、サヨナラ打を記録した＝同＜2＞。00年は4番として自己最多の28本塁打。同年オフにメッツにFA移籍した。