広島・森下 初オリックス斬り&マルチでフル回転4勝「まずは点を与えず、先取点を取ってもらおうと」

2024年05月30日 05:45

野球

広島・森下 初オリックス斬り&マルチでフル回転4勝「まずは点を与えず、先取点を取ってもらおうと」
<広・オ>ファンの声援を受けながら引き揚げる森下(撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【交流戦   広島14-0オリックス ( 2024年5月29日    マツダ )】 広島・森下暢仁投手(26)が29日のオリックス戦(マツダ)で投打に活躍し、今季最多の14得点、同最多タイの19安打で大勝に貢献した。本業で7回を3安打零封して4勝目を挙げれば、打っても今季2度目のマルチ安打で2安打1打点。4番・小園海斗内野手(23)も球団新記録となる月間8度目の勝利打点を挙げ、今季5度目の3安打猛打賞と大暴れした。チームは今季初の5連勝で貯金7。首位をがっちりキープした。
 投げて打って――。ド派手な猛攻劇にあっても、投打二刀流の背番号18は際立った。7回を3安打零封し、打っても2安打1打点。涼しい顔で大勝に貢献し、オリックス戦では自身初勝利となる今季4勝目を挙げた森下は、表情に充実感をにじませた。

 「対戦したことのない打者が多いので、先頭(アウト)を一つ一つ取っていこうと思った。それが良かった」

 立ち上がりは2回までに3安打。それでも「そんなに嫌なヒットじゃない」と動じなかった。3回以降は出塁すら許さず、3者凡退を5イニング続ける圧巻投球。かつての同僚・西川にも外角中心に配球し、2つの空振り三振を含む3打数無安打に抑えてみせた。

 「真っすぐを待っていたのに変化球がたくさん来たので、ああいう形になったのでは…と。しっかりアウトを取れて良かったです」

 本来の腕の振りが戻っている。22年秋に骨棘(こっきょく)と関節内滑膜切除手術を受けた右肘。今春「昨シーズンが終わったあたりから(患部が)落ち着いてきた」と打ち明けた。一時的に張りを覚え、開幕ローテーションを外れても「今は腕を振って勝負できている」。その感覚こそ生命線。新人王を獲った20年をほうふつさせる、打者を圧倒する投球がよみがえった。

 打席でのパフォーマンスも特筆ものだ。1点リードの3回、先頭打者で一挙4点の口火を切る右前打を放つと、7―0とした6回無死一、三塁でも2球目の外角スライダーを捉えて右前適時打。打率は驚異の・375(16打数6安打)を誇る。

 「基本は真っすぐが多いのかな…と。次の打席(6回)は真っすぐの後に、変化球が1球来るかなと思って」

 読みがさえ、投打に渡る大活躍。新井監督は、チームの5連勝に貢献した右腕を「今日も素晴らしいピッチングだった。あと打つ方もね」と絶賛した。

 「まずは自分が点を与えずに試合をつくり、先取点を取ってもらおうという気持ち。勝つためにはそういう投球が必要かなと思う。床田さんみたいに」

 ハーラー単独トップの6勝を挙げ、投球だけでなく打撃でも競い合う先輩左腕が手本。高いレベルで競争すれば、チーム成績にも直結する。本格化する森下。今後が楽しみだ。(江尾 卓也)

おすすめテーマ

2024年05月30日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム