亀山つとむ氏 「亀新」相棒が見た3年目の新庄野球 目立つだけじゃない計算されたパフォーマンス

2024年05月30日 05:15

野球

亀山つとむ氏 「亀新」相棒が見た3年目の新庄野球 目立つだけじゃない計算されたパフォーマンス
94年、アベックホーマーを放ち、そろってお立ち台に上がった新庄(左)と亀山 Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神2-8日本ハム ( 2024年5月29日    甲子園 )】 【亀山つとむ 視点】前代未聞のパフォーマンスも、選手の肩の力を抜く新庄監督ならではの演出だ。昨季日本一の阪神を甲子園で圧倒した日本ハム・新庄監督の野球を、「亀新フィーバー」で名コンビを組んだ本紙評論家・亀山つとむ氏(54)が高く評価した。伸び伸び戦った日本ハムと硬さが目立った阪神。動きは対照的だったと指摘した。
 あっと驚く演出だった。岡田監督とのメンバー交換に、新庄監督は阪神のユニホームで登場した。背番号は懐かしい「63」。おまけに「新庄監督」のプリント入り。準備は完璧だった。

 パフォーマンスはお手の物だが、ただ目立ちたいだけじゃない。新庄監督はしっかり計算もしている。日本ハムにとっては2年ぶりの甲子園。顔ぶれも変わり、初めての甲子園という選手も多かったはず。肩の力を抜いてゲームに入らせる。その効果も狙ったはずだ。阪神OBの八木打撃コーチ、山田バッテリーコーチも「監督がやるべきことを、ちゃんとさせている」と口をそろえていた。言葉通りの試合展開だった。

 新庄監督の表現を借りれば、機動力も駆使して得点を重ねていく「セコセコ野球」。でも、野球としては理にかなった攻撃を展開していた。4回までの5安打中、4安打は逆方向を狙ったもの。大竹の緩い球に惑わされず、各打者がしっかり引きつけて打っていた。

 目についたのは新庄監督が育てている水谷、万波、田宮、水野らが、みんなしっかりバットを振り切っていること。スイングに迷いがない。“失敗したら、どうしよう”と思っていない。振り切っているから打球もヒットゾーンに飛ぶ。7回にダメ押しの2点も四球と代打・野村でエンドラン成功。さらに代走・五十幡の盗塁で1死二、三塁として、水谷の2点適時打につなげた。チームとして機能している攻撃だった。

 敵地である甲子園で伸び伸びとプレーした日本ハムの選手とは対照的に、阪神には硬さが目立った。それぞれが“打たないといけない”と思うあまり、バットが逆に振れていない。9安打は出たが、チャンスでは合わせる打撃が目立った。

 5回無死満塁での渡辺の中犠飛で、二塁走者・森下はハーフウエーから戻り、タッチアップで進塁することができなかった。打球は左中間最深部。抜けたら二塁からでも戻れるはず。三塁に進んでいたら、前川の一ゴロで1点差。一方的な流れにはならなかったはずだ。相手のいいところは参考にして、重たい空気を変える必要が阪神にはある。 (スポニチ本紙評論家)

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