1か月前に1ゲーム差でペナントレースを諦めたガーディアンズ 5ゲーム差なのに再挑戦、なぜ?

2023年09月01日 08:08

野球

1か月前に1ゲーム差でペナントレースを諦めたガーディアンズ 5ゲーム差なのに再挑戦、なぜ?
怒りは鎮まるか…ガーディアンズのフランコナ監督(AP) Photo By AP
 1カ月前、1ゲーム差の中で3選手を放出するなど、ペナントレースを諦めたはずのア・リーグ中地区のガーディアンズが、今現在5ゲーム差でありながら、180度方向転換、エンゼルスから3選手を獲得し、中地区優勝を目指すことになった。
 USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者は8月31日(日本時間9月1日)「信じられないことが起きた。あ然とさせられる」と報じている。

 1カ月前、ガーディアンズは首位ツインズを1ゲーム差で追いかける立場だったが、先発右腕アーロン・シバーレ、主砲ジョシュ・ベル、アメド・ロサリオ内野手の3人をトレード、若手有望株と交換し、今年のペナントレースを諦めた。

 そのことが、戦っている現場の選手たちの怒りを買い、急遽フロントが遠征先に赴き、釈明する羽目になっている。それが、今は5ゲーム差ながら、エンゼルスから先発投手のルーカス・ジオリト、リリーフ投手のマット・ムーア、レイナルド・ロペスの3選手を獲得した。

 3人に残り1カ月分の給料約300万ドルを払う。クリス・アントネッティ編成本部長は「うちが十分に強いのか、上のチームとの差を縮められるかどうかはわからないが、トライする」と話している。

 気が変わった理由は2つあるようだ。まずは将来野球殿堂入りするであろう、テリー・フランコナ監督の怒りを鎮めること。ペナントレースを一旦諦めたことは選手だけでなく大監督も怒らせた。表立ってフロントを批判したりはしていないが、8月中旬には引退を口にし始めた。本当に引退するのか、真意はわからないが、最後の1カ月、大監督に戦える環境を整えるべきと判断した。

 加えて、8月末のトロント、ミネソタ遠征で4勝2敗の成績、特に宿敵ツインズに2勝1敗と勝ち越した。「この勢いに乗って、勝てるチャンスを作ろうと考えた」と編成本部長。それにしても選手の投げ売りを決めたエンゼルスから買い取った相手が、64勝70敗と、奇しくもエ軍と同じ成績のガーディアンズだとは皮肉だ。

 もちろん、成績の良くないア・リーグ中地区に属するからだが、米データサイト「ファンフラフス」によると、ポストシーズン進出の可能性はわずか5・2%、これから28試合のうち18試合は勝ち越しチームとの対戦になる。一番がっかりしたのはマーリンズ、ダイヤモンドバックス、レンジャーズといった、よりポストシーズンの可能性が高かった球団だろう。この3球団は喉から手が出るほど投手が欲しかったのに、成績が悪いチームに優先権があるというウェーバーのルールゆえ、ガーディアンズに3人も持って行かれてしまったのである。

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