慶応を追いつめた男がプロ挑戦決意 横浜の147キロ左腕・杉山遥希「人生の再スタート」

2023年09月04日 17:50

野球

慶応を追いつめた男がプロ挑戦決意 横浜の147キロ左腕・杉山遥希「人生の再スタート」
緒方漣主将と過ごした寮の2人部屋でプロへの決意を語る杉山(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 横浜の最速147キロ左腕・杉山遥希投手(3年)が4日、プロ志望届を提出する意向であることが分かった。10月26日に行われるドラフト会議に向け「ドラフトは人生の再スタート。プロに入ってからが勝負だと思う」と決意を言葉にした。
 今夏の神奈川大会後も継続している練習を終え、徒歩10分ほどの野球部寮に歩みを進める。昨秋の新チーム始動から緒方漣主将(3年)と過ごしてきた寮の2人部屋は既に荷物を引き払った。横浜を日本一に導くため、熱く語り合った青春の部屋に腰を下ろした杉山は「一番信頼していた仲間だった。緒方がいなかったら自分たちはここまで来れなかった。本当に大きい存在です」と親友に思いを馳せた。緒方は現在、台湾で開催中のU18W杯で活躍を続けている。

 1年から名門の背番号1を背負い、2度の甲子園出場に導いた関東を代表する左腕。今夏の神奈川大会決勝では慶応に9回に逆転負けで自身3度目の夏の甲子園出場を逃した。9回に決め球だったチェンジアップを失投し逆転3ランを被弾。「あそこで打たれてしまったのは今でも悔しい。慶応の強さが本当に分かった。野球は試合が終わるまで何が起こるかわからないと感じました」と振り返る。

 今春の選抜に続き、最上級生として果たせなかった甲子園出場。「ショックが大きかった。最後にああいう終わり方になって仲間に申し訳ない。立ち直れない部分があった」と大会後の1週間は落ち込み、体に力が入らなかった。それでも「アピールできる場面はなくなったが、見えない部分でどれだけ成長できるかが大事」と夢のプロ入りへ向け、再びハートに火をつけた。引退した現在も練習を継続中で複数球団のスカウトが視察に訪れている。

 レッドソックスなどで活躍した松坂大輔氏(42=スポニチ本紙評論家)や中日・涌井らOBの背中を追いプロ志望届の提出を決意した。「偉大な先輩たちがいるので負けないように頑張りたい」。運命の日に向け、杉山は走り続ける。(柳内 遼平)

 ◇杉山 遥希(すぎやま・はるき)2005年(平17)9月23日生まれ、東京都江戸川区出身の17歳。篠崎アトムズに所属した小6時にジャイアンツジュニアに選出。中学は城南ボーイズでプレーし、横浜では1年春からベンチ入りし、1年夏、2年夏の甲子園に背番号1で出場。憧れの選手は楽天・松井裕、DeNA・今永。1メートル81、79キロ。左投げ左打ち。

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