虎の“アイブラック兄貴”佐藤輝が快挙の61本塁打 投手に見せた“兄貴ぶり”にも責任感と自覚が

2023年09月04日 05:15

野球

虎の“アイブラック兄貴”佐藤輝が快挙の61本塁打 投手に見せた“兄貴ぶり”にも責任感と自覚が
<ヤ・神>初回、三点本塁打を放った佐藤輝(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神7-1ヤクルト ( 2023年9月3日    神宮 )】 阪神・佐藤輝明内野手(24)が、3日のヤクルト戦で今季初の2戦連発となる17号3ランを初回に放ち、同一カード3連勝に大きく貢献。入団3年目で通算61本塁打とし、69~71年の田淵幸一(スポニチ本紙評論家)が持つ球団記録に並んだ。森下との“アイブラック兄弟”で初のアベック弾も達成。2位・広島が中日に敗れ、05年以来18年ぶりのリーグ制覇に向けたマジックは、8月16日の初点灯以来初めて1日で2つ減り「15」となった。
 この日は、疑いの余地もなかった。初回に相手の拙守で1点を先制し、なおも1死二、三塁。吉村の初球を打ち砕いた右翼への放物線に、ヤクルトの守備陣は誰一人動けなかった。

 「(きょうは)打った瞬間!完璧?そうですね。チャンスだったので。初球で最高の結果になって良かった」

 前日は高く上がった飛球がファウルグラウンドから強風で戻されての右翼ポール直撃弾で、最後まで打球の行方を立ち止まって見届けていた。この日は豪快なフォロースルーの後に“確信歩き”を決めた。試合前まで阪神相手に4戦2勝、防御率1・71と、猛虎打線が苦しめられてきた右腕を完全攻略する豪快3ラン。入団3年目での通算61本塁打に到達し、通算474本塁打の「アーチスト」田淵幸一の球団記録に並んだ。

 6回に森下も左翼へ9号ソロを放ち、ドラフト1位の後輩との初めてのアベック弾が実現。今回の3連戦の初戦から森下のアイブラックを塗る役目を担う“アイブラック兄貴”は「僕、1本目なので。(アベック弾は)2本目の方が凄いんじゃないですか」と弟分を立てた。

 森下にだけでなく、投手陣への気遣いにも3年目の成長が表れている。2日のヤクルト戦。8回に2点を返され、なおも2死一塁で代打・山田を迎えた場面で一人マウンドに向かい、石井に声をかけた。同期入団の右腕はルーキーだった21年、神宮での開幕3戦目で山田に2ランを被弾。頭に悪夢がよぎりかけていたところに、背番号8は力強く「今の“いしやん”はあの時とは違いますよ。大丈夫です」と励ました。当時を踏まえての声がけに、石井は「もの凄く勇気づけられた」と感謝。以前から「うまくいってないときに声をかけてあげることは大事」と語る通り、ホットコーナーを守る責任感と自覚が、行動と言動から見て取れる。

 2試合連続弾は新人だった21年6月19、20日の巨人戦以来2年ぶり。2年前は4度も記録していた連日の一発で、ここ9戦で4ホーマーと勝負の季節にして量産モードに突入した。点灯後初めて一度に2つ減って「15」となったマジックにも、「別に試合に入れば、もう目の前の試合しか見ていないので。あんまり関係ないですね」ときっぱり。頂点のみを見据える佐藤輝から、さらなる大爆発の予感が漂う。 (阪井 日向)

 【データ】佐藤輝(神)が初回、2試合連続となる17号3ラン。1年目の21年から24→20→17本の通算61本目で、阪神選手の新人から3年の記録では、69~71年の田淵幸一(22→21→18)に並ぶ最多とした。8月23日中日戦で18試合ぶり14号が出てから、9試合で4本の量産。達成すればプロ野球7人目で球団初の「新人から3年連続20本塁打」へは、残り23試合で3本と現実味を帯びてきた。

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