ソフトB・森 “ラストチャンス”胸に気迫の103球 藤本監督「若い投手は見習ってもらいたい」

2023年09月04日 05:02

野球

ソフトB・森 “ラストチャンス”胸に気迫の103球 藤本監督「若い投手は見習ってもらいたい」
<西・ソ>力投するソフトバンクの先発・森(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク3-2西武 ( 2023年9月3日    ベルーナD )】 熱い男が帰ってきた――。ソフトバンクは森唯斗投手(31)が3日の西武戦に約3カ月ぶりに先発し、5回2/33安打1失点で4月27日の楽天戦以来となる今季2勝目を挙げた。長期間、2軍でくすぶっていただけではない。筑後で磨いてきた新たな“武器”が、相手打線を翻弄(ほんろう)した。チームはあす5日から本拠地で3ゲーム差の2位ロッテ、4位楽天との6連戦。最高に熱い決戦だ。
 森は受けた方が痛そうな強めのグータッチを仲間と交わし、喜びを分かち合った。5回2/3、3安打1失点で4月27日の楽天戦以来、約4カ月ぶりの2勝目だ。

 「チームが勝てたことが一番。みんなで戦っている中、全体的に自分らしくできたんじゃないかなと思う」

 6月9日に出場選手登録を抹消され、約3カ月ぶりの1軍。ユニホームの着こなしから験を担いだ。「2軍での流れが良かった」と野手のようなオールドスタイルで臨んだ。

 1―0の2回無死、外崎にツーシームを左翼席に運ばれ同点。ただ、動じない。直後に甲斐と話してシフトチェンジ。2軍で準備した決め球があった。

 「まあ、2軍でやってきたんでね」と磨いてきたのがチェンジアップだ。以前までのフォークの印象を変えさせた。打者23人のうち、7人の決め球が同球種。3回の打者3人、5回2死二塁での源田にチェンジアップで投ゴロ。「まだ(勝負球)ありますけどね」とにやけるが、6回途中まで試合をつくった。

 今季から転向した先発での初勝利だった4月27日の楽天戦は「肘が飛んでもいい」がテーマ。今回は「ラストチャンス」と銘打った。マウンドで打者を料理すれば野手と一緒に叫ぶ。低迷するチームに覇気を注入した。

 DHでの出場で投球をベンチから見守った柳田主将は「いやー、ベリーグッドな投球。気持ちいい」と、うなった。藤本監督も「若い選手、若い投手は森の気迫というところを見習ってもらいたい」とプロ初の100球超えとなった103球の熱投を称えていた。

 チームは2連勝で2カード連続の勝ち越し。8月25日以来となる貯金1とした。あす5日からはロッテ、楽天とのクライマックスシリーズ進出をかけた勝負の6連戦が始まる。指揮官は「2、4位とやるので、しっかり行く」と引き締めた。

 きっちり仕事をした森は「また投げる機会があれば、自分らしく行くし、選手たちはまだ終わってない。まだまだあきらめていないので」。狙うのは頂点のみ、投球だけではなく、仲間に言葉でもカンフル剤を与えた。 (井上 満夫)

おすすめテーマ

2023年09月04日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム