“アレの使者”になった阪神・大竹 岡田先輩の下で磨いた「不便益理論」 広島に無敵なワケは

2023年09月11日 06:00

野球

“アレの使者”になった阪神・大竹 岡田先輩の下で磨いた「不便益理論」 広島に無敵なワケは
<神・巨>涙を流す大竹(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5ー1広島 ( 2023年9月10日    甲子園 )】 阪神・大竹が18年ぶり優勝の使者だ。昨年12月に球界初の現役ドラフトで加入。早大の大先輩・岡田監督の下で独り立ちした。ほぼ年間通して先発ローテーションを守り、6年目で初の10勝。掲げるゴールはもっと先にある。成長哲学は「不便益理論」を表現した。「不便だからこそ良いことがある」という意で、あえて球種を絞った投球を思い描いた。
 「例えば“今日は真っすぐだけ”。それが1軍の公式戦でできれば最高」

 師と仰ぐソフトバンク・和田を例に挙げた。「スライダーを3球続けて、最後に真っすぐ、とかで抑えちゃう」。打者は同じ球種が続くと、逆に狙い球を絞りづらくなる。配球で打ち取る――。理想を現実に変えた瞬間があった。

 8勝目を挙げた8月16日の広島戦。4回2死でデビッドソンに4球連続チェンジアップを投じた。高めに3球続け、最後は低めの絶妙な高さに落とし、空振り三振。捕手・坂本との息も合った。

 デビッドソンは今季9打数無安打、マクブルームは12打数2安打に斬った。「外国人選手に対して以前は構えていたが、今は不安はない。抑える“作業”をしているだけ」。2位・広島に6戦5勝無敗、防御率0・64。岡田監督を男にした頭脳派左腕が、歓喜のど真ん中で笑った。(八木 勇磨)

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