広島の高卒2年目・田村 プロ初安打、チーム5連敗に沈む中で希望の光 新井監督も評価「いい反応」

2023年09月13日 05:00

野球

広島の高卒2年目・田村 プロ初安打、チーム5連敗に沈む中で希望の光 新井監督も評価「いい反応」
昨年9月12日のヤクルト戦(神宮)でプロ初安打を放った田村(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島1―2ヤクルト ( 2023年9月12日    神宮 )】 広島・田村俊介外野手(20)が12日のヤクルト戦でプロ初安打を記録した。7月以来の昇格で「7番・左翼」でプロ初先発。5回に中前へ打ち返し、通算6打席目で記念の一打が生まれた。昨年以来の5試合連続1得点で5連敗に沈んだ中、期待の若ゴイが希望の光をともし、新井貴浩監督(46)にも評価された。
 田村は通算6打席目での初安打に白い歯を見せて喜んだ。1―2の5回先頭でサイスニードの初球チェンジアップを捉え、鋭いゴロで中前へ。一塁上で小窪コーチと力強くハイタッチを交わした。

 「抜けろと思っていた。(1軍では)三振から始まって、ちょっと苦しい気持ちだったが、ちょっとホッとした。次につながると思う」

 初めて開幕1軍入りした今季は3月31日のヤクルトとの開幕戦ヤクルト戦に代打出場して空振り三振。4月2日の同戦も代打で二飛に倒れ、7日に降格した。1軍の壁を痛感した一方で「1軍と2軍との緊張感の違いを感じて、打席で気持ちの余裕はできた」と収穫もあった。

 戻った2軍。技術面で取り組んだのは、速球の対応力の向上だ。新井2軍打撃コーチ、東出2軍内野守備走塁コーチらからアドバイスをもらい、ポイントを前へ。体の軸が崩れないようバンスも意識し、全体練習が終わってからもバットを振り込んだ。

 7月12日には2度目の昇格。すぐに成果は出なかった。2度の代打で2三振。新井監督にも直接指導を受け、同19日に再び降格した。あれから2カ月。西川、菊池が治療のために登録を外れ、3度目の昇格が巡ってきた。しかも、初先発。3位・DeNAとは3ゲーム差で、2位死守という目標が残る中で抜てきされた。

 「スタメンで使ってもらったので、結果を出したいとずっと思っていた。(西川)龍馬さんも、けがでおられないので、その穴を僕が頑張って埋めて、勝てるようにできれば」

 送り出した新井監督は「いい雰囲気を持って、いい反応をしていた」とうなずいた。レギュラーシーズンは残り13試合。「一戦一戦を大切に。若い選手もチャンスがある。どんどん経験して、成長していってもらいたい」と望んだ。まずは期待の20歳が確かな一歩を踏み出した。(長谷川 凡記)

◇田村 俊介(たむら しゅんすけ)
 ☆生まれ&サイズ 2003年(平15)8月25日生まれ。京都府出身の20歳。1メートル78、93キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小学1年で中舞鶴小で軟式野球を始める。明徳義塾中では3年夏の全日本少年軟式野球大会で準優勝。愛工大名電では1年春からベンチ入りし、3年夏は甲子園で本塁打を放つも初戦敗退。高校通算32本塁打。21年ドラフト4位で広島入り。

 ☆趣味、リフレッシュ法 魚釣り。去年、寮の近くで真鯛が釣れたことに驚いた。

 ☆大事にしているもの 愛工大名電時代の恩師・倉野光生監督からの激励の手紙。

 ○…広島は今季2度目の5連敗。連敗中はすべて1得点と打線が振るわない。広島の5試合連続1得点以下は、22年5月27日のソフトバンク戦から6月1日の日本ハム戦【(0)(1)(0)(1)(1)】以来10度目。すべて1得点以下で5連敗は、1966年7月以来57年ぶり4度目。きょう13日も1得点以下だと、89年9月の球団ワースト6試合(3勝3敗)に並ぶ。

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