鳥越裕介氏が提唱 日頃から意識して技術を磨くことの重要性 中村晃や城島健司が、なぜ上手いのか

2023年09月13日 14:30

野球

鳥越裕介氏が提唱 日頃から意識して技術を磨くことの重要性 中村晃や城島健司が、なぜ上手いのか
3日の西武戦で、6回、蛭間の打球を失策する三森(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
【コラム 鳥越裕介のかぼす論】 3日の西武戦(ベルーナドーム)で三森が2失策して交代した。足の状態がよくなかったそうだ。ただ、少々、どこかが痛くても技術があればカバーできる部分は多くある。
 どうしてもシーズンの終盤はプレッシャーを感じて、守備で手足が動かなくなる。技術不足からくるものだ。コーチ時代にはとにかく、キャンプに始まり、シーズンの前半戦は選手にプレッシャーをかけていた。逆に自然とゴールが見えてくる後半は緩めた。指導者になってすぐは、シーズンを通して厳しくやりすぎた。ただ、強弱をつけることで年間通して選手が力を発揮しやすくなることに気づいた。

 選手たちにとって大切なのは日頃から意識して、テクニックを磨くことだ。現役時代、私は1年間、技術が上がる練習をしていた。守備要員が多かったから、特に秋山幸二さん、同学年の小久保裕紀が打撃練習をする時はサード、ショートで前進守備の練習をして、打球に飛びついていた。あの人たちは喜んで打ってくれた。パ・リーグでもトップクラスのバッターだったし、その打球を捕れば自信になる。格好の練習だった。試合の三塁の守備では明らかなファウルの打球もわざと、一塁に送球した。仮に一歩、二歩でも三遊間寄りに守っていたらフェアになる打球だ。使わないのはもったいない。そうやって自分の中でイメージしながら、技を磨いていた。

 試合前のキャッチボール、試合中のボール回しは選手それぞれの癖が出る。予測して対応するだけで凄くいい練習になる。例えば一塁の中村晃が、あれだけショートバウンドをうまく捕れているのは、イニング間に野手の送球をイメージしたり、シートノックで確認しているはずだ。センスという言葉だけで片付けてはいけない。

 城島健司はよく、内野ノックを受けてランニングスローをしていた。一見、遊びのように見えるが、いろいろな体勢から投げることは技術につながる。捕手からの二塁送球では横から投げたりもしていたように、ボールをしっかり握れなかった時、あえてワンバウンドを投げる、抜きながら投げるといった引き出しの多さが強みになる。

 自分のテクニックを磨く機会はたくさんある。だからその時間、場所を生かさなければ、もったいない。貪欲にやるのが、プロだと思うし、今の自分に満足することはない。 (野球解説者)

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