巨人・原監督 自ら辞任発表「晴れ晴れとした気持ちでバトンを」阿部新監督へ 胴上げは固辞

2023年10月04日 20:23

野球

巨人・原監督 自ら辞任発表「晴れ晴れとした気持ちでバトンを」阿部新監督へ 胴上げは固辞
<巨・D25>試合後、スタンドにあいさつする原監督と阿部コーチ (撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人1―0DeNA ( 2023年10月4日    東京D )】 巨人の原辰徳監督(65)が4日、DeNA戦(東京D)の試合後に行われた今季最終戦セレモニーに臨み、マイクを通じてファンに低迷を謝罪。自らの口で今季限りで辞任することと、後任監督に阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(44)が就任することを発表した。
 70勝70敗2分けの勝率5割で迎えた今季最終戦。この日も敗れると、球団初の3年連続シーズン負け越しの屈辱を味わうところだったが、原監督がローテーション投手に抜擢した3年目右腕・山崎伊織投手(24)がプロ初の9回を投げ切って散発2安打でプロ初完封勝利。7度目の挑戦でプロ初の2桁勝利となる10勝目(5敗)を手にして指揮官の“有終の美”に花を添えた。

 その後に行われたセレモニーでマイクの前に立った原監督はクライマックスシリーズ進出を逃し、10月4日が今季ラストゲームとなったことに「ちょっと早すぎます」とおどけたあとで「1年間本当にありがとうございます」と声援を送ってくれた巨人ファンに感謝。「選手、コーチ、スタッフ。全力で戦い、一つになり戦いました。しかし、力及ばず。成績。皆さんの前で誇れるものはなく、期待に応えることができませんでした」としたうえで「これは、ひとえに監督である私の指導不足。私の責任であります。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 そして、「これから個人的な話をさせていただきます」と前置きしたうえで、選手時代からお世話になった歴代のオーナー一人一人の名前を挙げて感謝。「勝負の世界は厳しい、ということは当然理解しております」とし、山口オーナーと「Bクラス確定、といった夜に、そしてこの時に2つのことを約束しました。1つは辞任します。もう1つは、若い新しいリーダー、阿部慎之助くんにチームを託そう、と。そういう決断をしました」と自らの口でファンに辞任を報告した。

 原監督は2019年から3度目の指揮を執り、同年と翌20年にセ・リーグ連覇。だが、日本シリーズではともにソフトバンク相手に1勝もできず、2年連続4連敗を喫した。

 21年シーズンは3位で3連覇ならず。22年は4位に終わり、今季は試合がなかった9月29日にDeNAが勝ったことで4位が確定した。同一監督による2年連続Bクラスは球団史上初となった。

 それでも、指揮を執った17年間で2度の3連覇を含む9度のリーグ優勝と3度の日本一を達成。この日が球団史上最多の監督通算1291勝目(1025敗91分け)となった。

 「野球ファンの皆様、本当にお世話になりましてありがとうございます。私の心境は一点のくもりもございません。晴れ晴れとした気持ちでバトンを阿部監督に渡し、マイクも渡します。本当にありがとうございました」と阿部新監督にあとを託してスピーチを締めくくった。

 その後、花束贈呈役を務めたおいでもある選手会長の菅野智之投手(33)、そして坂本勇人内野手(34)の目には涙が。原監督の目もうるんでいた。選手が胴上げしようとすると、それを固辞。最後まで毅然とした格好いい指揮官の姿のままグラウンドを去った。

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