イチロー氏 今もキャッチボールで「軽く投げているのに球が落ちない」理由 旭川東で高校生指導

2023年11月06日 17:37

野球

イチロー氏 今もキャッチボールで「軽く投げているのに球が落ちない」理由 旭川東で高校生指導
野球部員と一緒にキャッチボールするイチローさん(手前)=2023年11月5日、北海道旭川市の旭川東高校(代表撮影) Photo By 代表撮影
 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(50)が4、5日の2日間にわたり、旭川東(北海道)で選手指導を行った。
 イチロー氏が高校生を指導するのは、20年の智弁和歌山、21年の国学院久我山、千葉明徳、高松商、22年の都新宿、富士高に続き7校目。

 古巣・オリックスと阪神が対戦した日本シリーズに配慮したいという意向により、6日に指導したことが公表された。

 同校は、過去10度も北北海道大会の決勝に進みながら甲子園には届かず、昨夏53年ぶり11度目の決勝進出を果たすも再び敗退。2021年の大みそかに旭川東高の関係者から「悲願を叶えたい」との指導を依頼を受け、「悲願を叶え未来の礎となるきっかけを残せたら」と訪問を決めたという。

 指導の中では、自身の肩甲骨を選手に触らせる一幕も。「鎖骨って意識したことある?鎖骨も動く」とし、今度は鎖骨を触らせながら「こういう感じで。高校生はまだ成長段階だから細いのかな。あ、でもいい。左右が全然違うのよね。右利きは右がたぶんちょっとあるのかと勝手に思っているんだけど。太いでしょ?」と説明した。

 「これ意識するようになったのは大人になってからだから、高校生のときにどうだったかは全然分からないんだよね。でもこれ早い段階で知りたかったね。そしたらもうちょっといい選手になれたわ(笑い)。遅かったな、ちょっと。鎖骨、肩甲骨、股関節。この三つすごい大事」と説いた。

 今度は選手の鎖骨周辺に触れ「おじさんはここ触られたら悲鳴を上げる。ここが気持ち良かったら健康な。気持ちいいでしょ?ここの鎖骨の下のところ。すっごい気持ちいい」と解説。

 「鎖骨、肩甲骨、これは連動しているので。肩甲骨、鎖骨で投げる。まあ鎖骨で投げるっていう感触はないけど、肩甲骨で投げるという感触が出てくる。動くと。これ動かなかったら永遠に、足上げて、腕下げて、上げて、腕で投げている。それしかできないから。自分の想像を超える球が投げられない。これが動き出すと勝手にぱーんっていくから。昨日僕のキャッチボール見た?軽く投げているのに球が落ちないのはこれ(肩甲骨、鎖骨)が使えるから」と軽く投げてもボールが垂れない理由を明かした。

 「ここで投げる感触がないと永遠にそれは。もちろん上半身、下半身、体が強くて力で投げる人いるけど、それはもたない。何球かしたらもうっていう。まあ永遠には投げられないけど、全然疲れないでずっと投げられる、そういう感触、昨日一緒にやっていて、この人全然疲れないなって思わなかった?ずっときそうな感じあったでしょ。それはここが動くから。もちろん下半身の使い方もあるけど、ここはすごく重要」と述べた。

 旭川東は北海道旭川市にある公立(道立)の高校。1903年開校の北海道庁立上川中学校を起源とする伝統校で、通称は「旭東」「東高」。旧制旭川中学校時代はビクトル・スタルヒン氏の母校として知られる。スタルヒン氏はエースとして北海道大会で33、34年と準優勝して3年で中退。巨人の前身・大日本東京野球倶楽部に入団、初の300勝投手となった。

 学生野球の指導には、原則としてプロ球団を退団する必要がある。だが、イチロー氏の野球界への功績の大きさや、アマ選手の獲得に携わる立場でないことを踏まえ、日本学生野球協会が特例を容認。イチロー氏は2019年12月に学生野球資格回復制度の研修会を受講し、20年2月に資格を回復。マリナーズでの活動がないオフシーズンに限り、高校生や大学生への指導が可能となり、以来各地の高校で指導している。

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