「神様仏様」のバース氏が「盟友」岡田監督の日本一を祝福「もしハワイなら…」

2023年11月06日 05:15

野球

「神様仏様」のバース氏が「盟友」岡田監督の日本一を祝福「もしハワイなら…」
ランディ・バース氏
 【SMBC日本シリーズ2023第7戦   阪神7ー1オリックス ( 2023年11月5日    京セラD )】 “初代”日本一戦士から祝福コメントが届いた。元阪神のランディ・バース氏(69)が、スポニチに特別手記を寄せた。バース氏は日本球界に記録と記憶を残した「歴代最強助っ人」だ。大物OBが日本一を成し遂げた岡田監督らの盟友をはじめ選手たちの活躍を称えた。
 岡田監督、平田ヘッドコーチ、選手、球団関係者、ファンの皆さん、本当におめでとうございます。こんなにうれしいことはないね!チームメートだった岡田監督がタイガースの監督として優勝してくれたので、喜びも倍増だよ。

 チームが強くなったのは監督、コーチ、選手たちの力だろう。そして素晴らしい阪神ファンのおかげだ。今年は日本シリーズだけでなく、レギュラーシーズンの戦いぶりも、ある程度は把握していた。日本の知人から情報を入れてもらっていた。タイガースの情報が来ることを本当に楽しみにしていたんだ。もちろんセ・リーグで優勝したことも知っているよ。本当にうれしかったね。

 岡田監督と平田ヘッドコーチは選手としても指導者としても経験がある。選手としては85年に日本一を成し遂げた。監督としては05年に日本シリーズ出場。その経験が本当にプラスになったと感じる。だからこそ、チームとして進むべき道がわかっていたと思うよ。

 今年は3月31日のレギュラーシーズン開幕戦で始球式を務めさせてもらった。その時は「優勝できる」という確信は持っていなかった。ただ、凄く期待はあった。希望を持ち、とにかく優勝できるように祈っていたんだ。

 来日した際、岡田監督には「勝負にこだわってください」と言ったんだ。「もう一つは、選手たちに経験を教えてあげてください」。そして「夏の長期ロードは絶対に勝ち越してくださいね」とも伝えたんだ。7月は11勝8敗2分け、8月は18勝7敗。本当に素晴らしいし、信じられないくらいの成績だよ。今年はバックスクリーン3連発は生まれなかったみたいだけど、岡田監督や選手たちがよくやったという証拠だね。

 7月は21日間も日本に滞在することができた。その期間にテレビ中継で数多くの試合を観戦した。テレビ中継を見ていて、クリーンアップトリオの森下、大山、佐藤輝はチームバッティングをしていることがわかったんだ。試合の状況に応じたバッティングをしている印象を受けた。これは「いいぞ!」と思ったね。

 西武と戦った85年の日本シリーズを振り返ると、一番に思い出すのが10月26日の第1戦。終盤に救援登板した左腕の工藤(公康)を打てたんだ。相手は左打者の私と掛布は「抑えられる」と思ったはずだ。でも、みんなよく打った。第1戦を勝利したことで「日本一になれるぞ!」と思った。あの試合がキーポイント、ターニングポイントだった。今年の日本シリーズもタイガースが第1戦を勝利したしね。

 今年は私を野球殿堂入りに選んでいただいた。本当に心から感謝しているよ。あくまでも偶然だけど、殿堂入りした年にタイガースが優勝してくれて本当にうれしい。

 今のところ日本に行く予定はないけどね。また日本に行って、みんなに直接「おめでとう!」と言いたいね。優勝旅行もあるんだろう。場所はどこかな。もしハワイなら会いに行きたいね。一生懸命やっている岡田監督、平田ヘッドコーチや選手たちのことは本当に応援している。もう一度、優勝してほしいね。来年も優勝して、今度は掛布(雅之)も含め、みんなで集まって、一緒にビールを飲みたいね。
(元阪神タイガース選手)

 ◇ランディ・バース 1954年3月13日生まれ、米オクラホマ州出身の69歳。メジャーではパドレス、レンジャーズなど6年間で130試合、打率.212、9本塁打、42打点。83年から阪神に在籍して、85、86年は2年連続3冠王。特に85年は初の日本一に貢献してMVP。86年の打率.389はいまもプロ野球記録として残る。88年途中に子供の病気を理由に帰国して退団し、同年現役引退。日本では通算614試合で打率.337、202本塁打、486打点。帰国後は米オクラホマ州で農場経営の傍ら市会議員、州議会上院議員を歴任。97年にはスポーツニッポンで評論家を務めた。23年野球殿堂入り。現役時1メートル84、95キロ。右投げ左打ち。

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