苦闘の一年も…阪神・青柳「粋な、はからい」で鮮やかV字回復!!　監督の助言生かした

2023年11月06日 05:15

野球

苦闘の一年も…阪神・青柳「粋な、はからい」で鮮やかV字回復!!　監督の助言生かした — ＜オ・神＞近本（左）と抱き合って喜ぶ青柳（撮影・大森　寛明） Photo By スポニチ

【SMBC日本シリーズ2023第7戦阪神7ー1オリックス（ 2023年11月5日京セラD ）】阪神・青柳が苦闘の一年を大舞台での復活というV字回復で終えた。第7戦で迎えた日本シリーズ初先発のマウンドで底力を示した。勝利投手は伊藤将に譲っても4回2/3無失点。今秋ポストシーズン初登板で大役を果たした。

　「絶対に勝つということだけを考えて投げました。練習前に監督室に呼ばれました。開幕は青柳で始まったんだから、最後もいい形で終われるように、楽しんで攻めるところは攻めてやれ、と。監督の粋なはからいだと思った」

　開幕前には投球フォームを巡る認識の違いから直接対話した指揮官から不変の信頼を感じ取り、力に変えた。不振時に見せた四球で崩れる姿はなく、本来のたくましい姿を取り戻した。

　シリーズが開幕しても登板日はなかなか告げられなかった。村上や才木ら後輩たちが次々と大舞台のマウンドへ。「ポストシーズンは、そのシーズンで活躍した投手が投げればいいんですよ～」と自虐を込めて口にしたこともあっても、「言われたところで投げるしかない」と準備だけは怠らなかった。

　DeNAとの開幕戦で白星発進しながら、不振に陥って約2カ月間にわたる2軍暮らしも味わった。「チームには勝ってほしい、優勝してほしいと思ってテレビも見てましたけど、複雑でしたよ」。3・31から数えて220日目の11・5。自主トレで指南した村上が打ち込まれて巡ってきた第7戦だった。「本当に悔しそうな顔をしていた。素晴らしい一年を送った（村上）頌樹に、こういう顔で終わらせるのは嫌だった」。大一番のマウンドで見せたのは、猛虎エースとしての意地と底力だった。