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大商大、明治神宮野球大会で悲願の大学日本一へ!22年2月完成人工芝グラウンドが後押し

2023年11月15日 13:32

野球

大商大、明治神宮野球大会で悲願の大学日本一へ!22年2月完成人工芝グラウンドが後押し
明治神宮大会へ向けた目標を色紙に書いた大商大・上田(左)、高 (撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 「第54回明治神宮野球大会」は15日、開幕。初の大学日本一を目指す大商大(関西5連盟第2)は初日に登場。1回戦で日本文理大(九州3連盟)と対戦する。優勝候補筆頭の青山学院大(東都大学)も同居する激戦のブロック。西武からドラフト2位指名を受けた主将の上田大河投手(4年=大商大高)、広島から同2位指名を受けた高太一投手(4年=広陵)が集大成の舞台でフル回転の活躍を誓った。 (取材・構成 吉仲 博幸)
 今秋のリーグ戦で4季連続25度目の優勝を飾った大商大。神宮切符を争った関西地区大学選手権は天理大に敗れた後、もう1敗も許されない状況から2連勝し、第2代表の座をつかんだ。接戦をことごとくものにする勝負強さはどこに起因するのか。その秘密は、22年2月に完成した人工芝グラウンドの存在と決して無縁ではないだろう。富山陽一監督は「梅雨の時期など、天気が良くない時でもたくさん練習することができました。本当にありがたい」と感謝の言葉を並べた。

 最速154キロを誇る上田は9月16日の大院大戦で無安打無得点試合を達成。登板した7季で実に6度のリーグ優勝へ導き、通算22勝を挙げる絶対的なエースに成長した。冬場に足袋を履いて投げ込むなど下半身を徹底的に強化。圧倒的な練習量が自信の源だ。人工芝の利点について、上田は「整備の時間短縮と練習時間が増えたことが大きい」と説明した。雨が降れば、皆がはだしになってバケツリレーで水抜きする日もあった。「冬場は地獄で、はだしで寒かったです」と苦笑いで振り返ったように、今では懐かしい思い出だ。

 日頃の練習から対関東を意識することもできた。全国大会は神宮球場や東京ドームが舞台になる。足腰の使い方や打球判断の向上にもつながったという。「全国に行っても変わらずにやれる。臨機応変に動ける力もつきました」と上田。広陵時代は4番手投手だった高もこのグラウンドで鍛練を積み、最速151キロを誇る本格派左腕に成長を遂げた。高は「芝は走りやすいですし、ケガもしにくくなる」とうなずく。

 奈良県関屋グラウンドで人工芝完成セレモニーが行われたのは22年2月17日。谷岡一郎学長ら多くの関係者が出席した。この人工芝化整備事業に尽力したのが大商大出身で株式会社マツモト代表取締役会長の松本義光さんだ。当時のセレモニーで、松本さんは「富山監督の情熱と手腕と選手たちにより、すばらしいチームが出来上がっております。どうか全国制覇を成し遂げてもらいたい」とあいさつし、野球部に大きな期待を寄せていた。

 感謝の思いを形にするのは、日本一のタイトルこそふさわしい。初戦の15日に22歳の誕生日を迎える上田は「自分も高も負けたら終わり。4回生の集大成というか、意地を見せたい」と意気込めば、高も「もちろんフル回転するつもりです。自分がフル回転すれば、後は(4番の)渡部が打ってくれると思います」と呼応した。大学選手権は1975、76年に、明治神宮大会は82年に準優勝した実績を誇る西の強豪。日本一に上り詰めるには4勝が必要だ。感謝の思いを胸に、2人は力の限り腕を振る。

 ◇高 太一(たか・たいち)2001年(平13)7月26日生まれ、愛媛県新居浜市出身の22歳。船木小2年から船木パイレーツで野球を始め、船木中では今治中央ボーイズに所属。広陵では3年春から背番号17でベンチ入りし、春の選抜大会に出場。大商大では1年秋からリーグ戦に登板し、通算12勝0敗。3年秋にベストナイン受賞。最速151キロ。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット、ツーシーム。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

 ◇上田 大河(うえだ・たいが)2001年(平13)11月15日生まれ、大阪市出身の22歳。尾鷲市立宮之上小1年から尾鷲野球少年団で野球を始め、東生野中ではナガセボーイズに所属。大商大高では1年春からベンチ入りし、2年秋からエース。3年春に大阪大会優勝。大商大では1年秋からリーグ戦に登板し、通算22勝4敗。最速154キロ。持ち球はスライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップ。大学日本代表。1メートル82、86キロ。右投げ右打ち。

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