広島の龍馬は「リーグ」を超える FA行使し、「パ」移籍希望を明言「自分の力が通用するのか興味がある」

2023年11月15日 04:45

野球

広島の龍馬は「リーグ」を超える FA行使し、「パ」移籍希望を明言「自分の力が通用するのか興味がある」
広島・西川龍馬 Photo By スポニチ
 広島・西川龍馬外野手(28)が14日、本紙既報通り、昨季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。広島市南区の球団事務所で取材に応じ「行くならパ・リーグ。環境を変えて、新たな自分探しができたら」と語った。通算打率・299を誇る巧打の左打者にはオリックス、ソフトバンクなどが興味を示しており、決断が注目される。
 午前10時過ぎ。西川は、マツダスタジアムでの自主練習前にトレーニングウエアで取材に応じ「先ほど申請書を提出した」と切り出した。悩みから解放されたからか、どこか吹っ切れた表情だ。FA権を行使する理由についても言及した。

 「パ・リーグの野球に少なからず興味があり、挑戦したい思いがあった。メジャーっぽくて、真っすぐでどんどん勝負してくるイメージ。自分の力が通用するのか興味がある。環境を変えて、新たな自分探しができたら」

 プロ野球人としての欲求と、チーム愛のはざまで気持ちは揺れ動いていた。2日にあった残留交渉で、球団は今季年俸1億2000万円から大幅増となる3年契約で総額6億円(推定)を提示。「思った以上」の高評価に感謝の思いが強まり、悩みはより深まった。

 前週には秋季キャンプ地の宮崎・日南市を律義に極秘訪問し、チーム宿舎の新井監督の部屋で対面。「そういうことか」。「そういうことです」。機微を敏感に察知する指揮官と、そうしたやり取りがあったと明かし、思いを直接伝えた。

 「“龍馬が決めたことなら応援する。悔いのないように”と言っていただいた」

 昨季、残留表明した際に「決め手は新井さん!」と即答。悩みの渦中では「新井さんの野球は面白い。でも、カープにいたら甘えが出る。若手の出番も奪ってしまう」と漏らしたことも。新監督の下で今季を戦い「2位で終われた」ことで、初志貫徹を決断した。

 「宣言するとは言ったものの、寂しい気持ちが一番。(在籍)8年間は凄く濃い時間だった。来年どこでプレーするか分からないけど、陰ながらカープをチェックするし、応援もする。僕も負けないように頑張りたい」

 通算打率・299を誇る左打者を巡ってはオリックス、ソフトバンクなどが興味を示している。大阪出身でも「そこはフラットに見ている。どこに入るのがベストか考えて決めたい」。野球人生の第2幕。一層の飛躍を誓って、西川は新たな一歩を踏み出す。 (江尾 卓也)

 ◇西川 龍馬(にしかわ・りょうま)1994年(平6)12月10日生まれ、大阪府出身の28歳。敦賀気比(福井)では3年春の甲子園に遊撃手で出場。社会人の王子を経て15年ドラフト5位で広島入り。19年に外野手転向し、同年5月1日阪神戦から6月5日西武戦にかけて球団歴代2位の27試合連続安打。17年のアジアプロ野球チャンピオンシップ日本代表。今季推定年俸は1億2000万円。1メートル76、83キロ。右投げ左打ち。

 〇…西川のFA宣言を受け、チーム内では惜別の声が相次いだ。仲のいい野間は「相当に悩んでいたし、性格的に金銭ではなく、野球選手としてのスキルの中で、パ・リーグでやってみたいのも分かる」と理解を示した。森下も馬が合い「打つことに関してはカープで一番。一緒にできないのは寂しい。(パとの)対戦機会はあまりないけど、“いいな”と思ってもらえるボールを投げたい」と対戦を心待ちにした。

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