阪神育成の大砲候補・野口「ビックリ」 超異例の11月支配下契約! 岡田監督は三塁挑戦プラン

2023年11月15日 05:15

野球

阪神育成の大砲候補・野口「ビックリ」 超異例の11月支配下契約! 岡田監督は三塁挑戦プラン
<阪神契約更改>支配下登録が決まり、色紙を手に笑顔の野口(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 阪神は14日、秋季キャンプ地の高知県内のホテルで13選手と契約更改交渉を行い、育成の野口恭佑外野手(23)と契約金1000万円、年俸420万円(金額は推定)で支配下選手契約を結んだことを発表した。11月に育成選手の支配下契約を行うのは球団初で、プロ野球界全体でも超異例。期待が高い右の大砲候補に岡田彰布監督(65)は、15日からの今キャンプ最終クールで三塁へ挑戦させる意向を示唆した。
 ホッとした表情を浮かべて会見に臨んだ野口は「何も知らされてなかったので、ビックリ。1軍の舞台で早くプレーできたら」と喜びを口にした。契約更改交渉の場で球団から掛けられた言葉を「緊張しすぎて覚えていない…」と苦笑いする一方、故郷・長崎で応援する家族へ「これからも頑張ります、と伝えたい」と胸を張った。

 安芸の新風が、日本一監督をも魅了した。11日には、キャンプ合流初日の岡田監督の目の前で敢行したフリー打撃で、90スイング中19本の柵越えを叩き込むなど、持ち前の打撃と元気を存分に見せつけた。そして「野口だけやな、リストワークを使えていたのは」と高評価を引き出した。この日晴れて支配下契約をゲットしたわけだが、その裏には指揮官の強い推しがあった。

 「もう初日(11日)に(支配下登録を)決めたけど。きょう(14日)が契約更改や言うからきょうになっただけや。(それだけ高評価?)そうそうそう」

 11月の支配下登録は球団初で、球界を見渡しても“超異例”。2月の春季キャンプや3月のオープン戦などで評価されて開幕直前に登録されるか、シーズン中の補強期限7月31日までの契約が通例。秋季キャンプ中の契約にはモチベーションを上げることによる“オフにしっかり鍛えてこい”という球団からの熱いメッセージが読み取れる。野口の本当の戦いは、ここからだ。

 「明日からちょっと個別でゴロ捕らせなあかんわ」。岡田監督は15日からの最終クールで、野口を三塁へ挑戦させる意向も示唆した。野口もやる気満々で「打撃でもアピールして(オフの)自主トレもしっかりやって、キャンプに向かえたら」と上を向いた。(八木 勇磨)

 ◇野口 恭佑(のぐち・きょうすけ)2000年(平12)7月17日生まれ、長崎県出身の23歳。創成館では1年秋から外野手でベンチ入りし、3年春夏の甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし、4年春に外野手のベストナイン。22年育成ドラフト1位で阪神入り。2軍通算67試合で打率・303、6本塁打、18打点。1メートル80、88キロ。右投げ右打ち。

 野口の契約更改交渉に入った嶌村聡球団本部長が、球団初の11月中の支配下昇格となった経緯を説明した。岡田監督の意向を最優先しつつ、重視したのは本人のモチベーション向上と周囲への刺激だった。

 「キャンプ中なんで本人の励みにもなるだろうし、周りの選手の発奮材料にも当然なるだろうと」

 このタイミングの昇格により、残りのキャンプ期間、そしてオフの自主トレへの取り組みが変わることは想像に難くない。また、右打ちの外野手は今キャンプ参加組だけでも小野寺、井上、井坪、豊田がいるが、野口が持つ長打力とガムシャラさが、さらなる化学反応を起こす可能性にも期待を寄せる。今春に左太もも裏を故障しながら5月末の復帰後、ウエスタン・リーグ67試合で打率.303、6本塁打。ドン底からはい上がった精神力も評価された。

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