プロはあこがれではなく現実…ロッテドラ1上田に見た即戦力の覚悟

2023年12月14日 08:00

野球

プロはあこがれではなく現実…ロッテドラ1上田に見た即戦力の覚悟
7日のロッテ・新入団選手発表会で目標を記したボードを掲げ、意気込みを語る上田(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 どの顔も希望に満ちあふれ、輝いていた。今月7日、ロッテの新入団選手発表会が行われ、支配下5人、育成5人の計10選手が千葉ロッテマリーンズの仲間入りを果たした。
 ドラフト1位の上田(明大)は東京六大学歴代4位の74打点を記録した勝負強い打撃が持ち味の内野手、2位の大谷(日本海・富山)は最速159キロの右腕、3位の木村(霞ケ浦)と5位の寺地(明徳義塾)は侍ジャパンU18のメンバーで、4位の早坂(幕張総合)は投手経験わずか1年足らずで最速151キロをマークした地元期待の星だ。育成の5選手もそれぞれが潜在能力や可能性を高く評価されている。

 プロ野球は、野球少年なら誰でも一度は夢見るあこがれの世界。そのスタートラインに立った高揚感、ワクワクする気持ちは見ていても伝わってきた。ただ一人、1位の上田だけは少し違う雰囲気を醸し出していたように思う。即戦力として期待されることもあってか、厳しい勝負の世界に飛び込む決意や覚悟のようなものが感じられた。今季の目標も「80安打、50打点」と具体的な数字を挙げた。14年連続でドラフト指名選手を輩出している明大で主将を務めた男は、先輩たちの姿を見て自ら感じたのか、あるいは直接助言をもらったのか、プロを夢の舞台ではなく、現実の戦いの場として思い描いているようだ。

 チームメートとなる「令和の怪物」佐々木朗希とは同世代で、高校日本代表の選考合宿で1度対戦し、「3回バットを振って1回も当たらなかった」という。「自分は4年後、こういうピッチャーを打たなきゃいけないんだっていう気持ちになった」。そんな経験も影響しているのかもしれない。

 ドラフト会議では外れ外れ外れの1位。とは言え、ロッテは当初から即戦力野手の獲得を狙っており、大学No・1と評価される上田は、むしろ“当たり”だったと言えるだろう。吉井監督は来季、内野をシャッフルし、それぞれのポジションを複数の選手で競わせる構想を持っている。現状では一塁が安田、三塁は中村奨がレギュラーの有力候補だが、指揮官は一、三塁の対抗候補には上田の名を挙げている。

 今季は2位ながら優勝したオリックスとは15・5ゲーム差。力の差は認めざるを得ない。その差を埋めていくためにはチーム全体の底上げは不可欠。上田をはじめとする新人たちの加入が、若手の競争を激化させ、全体がレベルアップしてくれたらと期待している。(ロッテ担当・大内 辰祐)

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