ドジャース・大谷翔平“ランボートレ”でトリプルスリーだ 走力アップへ「ラン&ボー」

2024年02月12日 02:30

野球

ドジャース・大谷翔平“ランボートレ”でトリプルスリーだ 走力アップへ「ラン&ボー」
器具を装着してトレーニングする大谷(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷翔平投手(29)が10日(日本時間11日)、バッテリー組キャンプ2日目を迎え、初めて屋外トレーニングを行った。俊敏性、機能性、パワー向上を目的に最新機器「1080SPRINT」を使ったダッシュや、棒を使ったメニューを消化。メジャー初の打率3割をマークした昨年の打率・304、44本塁打、20盗塁から、右肘手術の影響で打者に専念する今季は走力アップによる、日本選手初のトリプルスリーにも期待がかかる。
 太陽が顔をのぞかせても、キャンプ地グレンデールはまだ肌寒い。気温10度前後のサブグラウンド。大谷は長袖を脱ぎ捨て、半袖、ハーフパンツ姿で熱くトレーニングに励んだ。

 初日だった前日は、室内調整に終始。この日は初めてファンやメディアに見える場所で練習を行った。2メートルほどの細長い棒を両手で高く掲げながらハードルを使った腿上げなどを行うと、GPSなどを用いて最高速度や心拍数を測る「デジタルブラジャー」を装着してダッシュ。その「ラン&ボー」トレーニングの最後が、新兵器を使用したメニューだった。

 「1080SPRINT」と書かれた黒い機器が芝生の上に置かれていた。大谷は機器から伸びるオレンジ色のケーブルを自身の腰に巻いたベルトにつなげ、アメリカンフットボールのDFラインのような低い体勢からスタートを切った。負荷をかけながら何度も約30メートルダッシュ。日本の輸入代理店メソンの担当者によれば「訓練と評価」に特化したもので、リアルタイムで速度などの情報を取得でき、走る際のパワーや俊敏性、体の機能性向上に役立つという。サッカーや陸上競技の短距離種目、アメリカンフットボール、アイスホッケーなどの選手の利用が近年急増。ただ、野球選手ではまだ、珍しいという。

 大谷は水原一平通訳やトレーナーとともに、ダッシュのたびにタブレット端末でデータを確認。数値を見ながら「あー、ダメだ!」などと声を発し、明るい表情で取り組んでいた。キャンプインした9日、打者専念で臨む今季への準備について「バッティングのことだけを考える。あとは走ること」とテーマを設定。バットを手に向かった室内練習場では打撃練習も行ったもようで、最後は山本と談笑しながらクラブハウスに引き揚げた。

 昨季の打率・304、44本塁打に加えてメジャー自己最多だった21年の26盗塁を30台に乗せれば、日本選手メジャー初のトリプルスリー達成や3冠王も現実味を帯びる。「自分の磨く技術とかは変わらない。そこはまだまだ先がある」という大谷が、さらなる進化へ貪欲に走り続ける。(柳原 直之)
 
 ≪同僚が代弁者≫デーブ・ロバーツ監督が9日の会見で大谷の取材対応がない場合のスポークスマン(代弁者)に指名したのが、34歳のベテラン外野手・ヘイワード。「君たちにも君たちの仕事があることは理解しているよ」と話した。沖縄出身の指揮官はこの対応に「アリガトウゴザイマス」と日本語で感謝。さらに「フレディ(フリーマン)、ムーキー(ベッツ)、オースティン(バーンズ)もカバーできる」と複数選手でサポートする方針を示した。

 ▽1080SPRINT スウェーデンに本社を置く「1080 MOTION」社製。スピードアップや切り返し能力の向上などを目的に、最大速度や加速度、パワーなどのパフォーマンスのデータ評価とトレーニングが並行できるシステム。モーターの力によってワイヤで水平方向に一定の負荷をかけ続けることが可能で、最大負荷は滑車なしで75キロ、ありで150キロとされている。同担当者は「大谷選手はベルト側に滑車を装着していて2倍の負荷をかけているのでは」と解説。本体は長さ約1メートル、高さ20センチ、幅30センチ。価格は1万7000ドル(約253万3000円)。

 ▽映画「ランボー」 1982年公開の米国アクション映画で原題は「First Blood」。原作はデービッド・マレル氏の「一人だけの軍隊」。主演はシルベスター・スタローンで、第1作は元グリーンベレーの帰還兵ジョン・ランボーが、帰国後に周囲から疎まれ不当な扱いを受けたことへの報復の物語。スタローンにとっては「ロッキー」と並ぶ代表作で85、88、08、19年に続編が製作された。

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