阪神・坂本は痛がることもせず一塁へ 死球を当てた茨木へ先輩たちが見せた気遣い

2024年02月12日 05:15

野球

阪神・坂本は痛がることもせず一塁へ 死球を当てた茨木へ先輩たちが見せた気遣い
阪神紅白戦の2回、茨木(左)から死球を受け一塁へ向かう坂本(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【畑野理之の談々畑】先輩たちの優しさだった。白組の8番・捕手で先発出場した阪神・坂本誠志郎は2回1死、紅組先発の茨木秀俊から左肩に死球を受けた。直球にのけ反り、場所が場所だけにヒヤリとしたが、しかし、痛がることもせず、コールドスプレーすらかけない。マウンドに一べつもすることなく淡々と一塁へ向かった。
 「痛がっても仕方がないじゃないですか。もちろん、わざとじゃないのは分かっていますし。ボクは試合でも、痛がることはしないですけど」

 味方同士の紅白戦で主力選手にぶつけてしまい、茨木は萎縮しただろう。もしも大けがをさせてしまったら…と思うとチビってしまいそうだ。だから坂本はすぐに後輩を思いやる行動をとったのだ。初めての1軍キャンプで、今春初の紅白戦でつかんだアピールチャンス。岡田彰布監督に100%のパフォーマンスを見せてこいと伝えたかった。

 ベンチでは大山悠輔や木浪聖也から「そこで腕立て、腕立て伏せー」と声が飛び、大丈夫やから問題ないことを示してやれという。坂本も「そうですね、それくらいやってあげれば良かったですかね」と笑った。

 試合後、北川博敏2軍打撃コーチがかけ寄ってきて心配そうに患部をさする。

 北川「大丈夫やったんか?でも若い投手がつぶれないように、全然、痛がらず、カッコいいよな」
 坂本「あれで、茨木がもうインコースに投げられなくなったら、かわいそうじゃないですか」

 北川「なのに次の打者のミエちゃんに2ラン打たれて…」
 坂本「茨木があとでボクのところにきて“すみませんでした”って謝ったんですが、それはいいとして“ミエセスには少しビビってしまいました”って言うから、バカやろ、それでも内角の厳しいところに行かんかって言いましたよ」

 北川「それくらいの強い気持ちを持たないとな」
 坂本「試合後、室内ドームでマシン打撃をしたんですが、なんか当たったところ(左肩)が壁になって、体が開かなくなって、デッドボールのおかげでいい打ち方になっていました。今はこっちが感謝していますよ」

 茨木は、門別啓人と将来の左右のエース候補と期待される、2年目の19歳右腕。2回3失点で本来の投球ができなかったが、先輩たちの気遣いと、この日の苦い経験を絶対に次に生かさないといけない。

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