阪神・門別 開幕ローテ入りへ好発進 自慢の直球で佐藤輝のバットへし折った「まだまだ6割」

2024年02月12日 05:15

野球

阪神・門別 開幕ローテ入りへ好発進 自慢の直球で佐藤輝のバットへし折った「まだまだ6割」
紅白戦で力投した阪神・門別(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 阪神・門別啓人投手(19)が開幕ローテーション入りへ好発進した。沖縄・宜野座キャンプで今春初実戦だった11日の紅白戦で2回1失点。計39球のうち変化球が7球しかない予告通りの直球押しで昨季最多安打の中野から空振り三振を奪い、昨季24本塁打の佐藤輝のバットを折った。最速148キロで球威、制球ともに抜群。岡田監督が「連覇への秘密兵器」と期待する高卒2年目左腕はやはりモノが違った。
 39球のうち32球が直球。門別は宣言通り立ち向かった。球場表示で最速148キロ。「抑えたい気持ちが先走ってしまった」と佐藤輝にはバットを折って中前打を許しても、「ファウルを取れて、球速以上に速く感じさせられたという反応はあった」と手応えも明かした。

 直球の強さが際立ったのは中野との対決だ。初回1死一、三塁から全て直球を投げ込んだ。不利な2ボールにしても動じない。4球連続でファウルさせ、ボールを挟んだフルカウントから再び3球連続ファウル。一向に打球が前へ飛ばない。11球目で空振りを奪い、昨季164安打のタイトル打者に「投げっぷりが良かった。球も凄く良かった」と言わせた。

 「当てにきているなと感じたので、真っすぐで三振を取れたらいいなと思って続けた。押す中で三振が取れた」。戻ったベンチでは捕手の坂本からも認められた。「“変化球が入ってきたら、もっと簡単になる”と。今日は真っすぐを試したかったので押したけど、これからは駆け引きも大事にしていきたい」。2イニング目は近本ら3人を斬り、144キロで空振り三振を奪った木浪には「最後の球をファウルしにいこうとしたけど、できなかった」と最大級の賛辞をもらった。

 「坂本さんからテンポアップしていこうと言われた。質もテンポ感も、全部含めて2イニング目の方が良かった」

 初回の3安打はどれも不運な当たり。全体を通して抜ける球はほとんどなく、内外角の低めにほぼ制球した。一度だけ高め要求だった最後の39球目も狙い通りの内角高めでノイジーを捕邪飛に押し込んだ。

 岡田監督は見立て通りとばかりに「想定内やろ。ブルペンでちゃんと投げとるわけやから」とうなずき、「疲れとる」とも付け加えた。本人の感覚では「まだまだ6割くらい」という。一致する上積みの余地に期待は高まる一方だ。

 19歳の春を堂々の発進。門別は開幕ローテーションの座をつかんだ先まで思い描いた。「プロ初勝利が一番の目標。みんなに5勝、5勝と言われるけど、10勝したい」。決して大言でないことは自慢の直球が証明している。(松本 航亮)

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の19歳。富川小6年時にファイターズJr選出。東海大札幌では1年秋からベンチ入りし、3年夏の南北海道大会4強で甲子園出場なし。22年ドラフト2位で阪神入り。23年9月15日広島戦でプロ初登板。通算2試合0勝0敗、防御率3.38。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

《他球団のスコアラーが警戒》
 ▼広島玉山健太チーフスコアラー しっかり意図したところに投げ切るボールが2イニング目は増えていた。修正力は1軍で投げるためには必要。そこができているのは素晴らしい。

 ▼広島土生翔平スコアラー (イニングが伸びても)全然いけると思う。真っすぐ主体でファウルもフライアウトも取れていたので非常に良かった。

 ▼DeNA新沼慎二1軍ゲームアナリスト 非常に落ち着いていて2年目っぽくない。真っすぐを持っているので、変化球の精度が上がれば凄くいいピッチャーになると思う。

 ▼巨人中里篤史スコアラー 2イニング目はちゃんとリズム良く投げられていたので、これが続いていけば先発ピッチャーとして素晴らしい選手になるんじゃないかな。

 ▼中日加藤光教スコアラー 去年投げた余裕と自信があるのか、直球で勝負できている。だから変化球も生きる。

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