阪神・前川 落球の悔しさ倍返し!華麗トリックプレーに初マルチ「ゼロからのスタート」

2024年03月10日 05:15

野球

阪神・前川 落球の悔しさ倍返し!華麗トリックプレーに初マルチ「ゼロからのスタート」
<神・ヤ>4回、ヤクルト・松本直の打球を処理し、中継へ送球する阪神・前川(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【オープン戦   阪神2ー5ヤクルト ( 2024年3月9日    甲子園 )】 阪神前川が失敗を一日で取り返した。右邪飛を落球して一挙6失点の発端になった8日に続いて今春オープン戦では2度目の右翼出場。同じ守備で魅せた。いや、惑わせた。
 4回に松本直の飛球に対し、右手のグラブを掲げて捕球の姿勢を偽装。見事に三塁走者・内山をだまし、急ブレーキから帰塁させた。目の前で弾んだボールを素早くつかんで二塁手の中野へ。中継プレーは本塁まで正確につながり、内山の再突入を間一髪で阻止した。記録上は1死二、三塁からの「右前打」で得点を与えなかった。

 「昨日は本当にチームにも悪いことをしてしまっていた。ノーバウンド(捕球)は無理かなと思ったので、フェイントをやった」

 直後の4回に巡ってきた打席では湿りがちだったバットでも快音を鳴らした。1死一、二塁。カウント2―2から真ん中低めに来た吉村のスライダーを巧みに引っ張り込み、右翼線へ適時二塁打を運んだ。

 「何とかして事を起こすじゃないけど、ちゃんと(次の打者に)つなげるという気持ちで入った」

 3点劣勢の9回2死では星の内角直球をはじき返して一、二塁間を鋭く破った。オープン戦8試合目で初のマルチ安打。過去7戦でわずか1安打の停滞から抜けた。レギュラーを獲るためにも、ミスの翌日に奮起したことに意味がある。「悪かったことを反省して、明日(10日)はゼロからのスタートだと思う。準備して入りたい」。高卒3年目の20歳の春。また少し、そして着実に強くなった。(石崎 祥平)

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